秩父化石小旅行

満足して小田原から新幹線で戻った私だが、早くも次回の旅への妄想に耽っていた。
仕方がないのだ。腹が減るのと同じくらい、好きな人にとっては自然な行為である。
理由を聞かれても、そこに化石があるからだ!としか言えない🤣
そんな下らない事を考えながらスマホを眺めていると、どうやら秩父の上長瀞に埼玉の自然史博物館があり、かつて海だった秩父の生き物が展示されている、という事を知った。
秩父なら池袋から西武鉄道の特急で安く行ける。何せ片道1500円程度。安すぎる!
駅の隣は大きな温泉♨️があり、フードコートではご当地グルメも食べられる。それを聞いて私の頭は秩父一色になった😊

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西武池袋駅から、私は特急レッドアロー号に乗り西武秩父駅を目指した。
去年の11月30日の事である。
西武鉄道の特急に車内販売は無い。とはいえ駅で朝食は済ませていたし、約一時間半で到着するので割とあっという間だった。飯能駅から西武秩父駅までの、山々の景色は素晴らしい😊
四方を山で囲まれた西武秩父駅のターミナルは広く、隣には祭の湯という大きな温泉施設がある。天気も最高だ!ここから少し歩き、秩父鉄道の御花畑駅を目指す。

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駅には立食い蕎麦屋があったが、蕎麦よりもこの「みそぽてと」というB級グルメが目に留まった。しかし買おうにも店員がいない。一人蕎麦を啜っている爺さん曰く、トイレに行ってから戻ってこないそうだ。
実にのんびりした街ではあるが、そういう物なのだろう😊無事に?戻ってきた店員に金を支払い、みそポテトを頬張る。
コレがまた癖になる旨さなのだ😋 

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蒸して潰したジャガイモを天ぷらにして、甘辛みそをつけるだけ。そしてこれが止まらないんだから不思議なものであるw

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やって来た電車に乗り、上長瀞駅へ。
分かってはいたが、やはり携帯の電波は悪かった。殆ど山の中にある駅を降りて荒川を目指し、川沿いにしばらく歩く。

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荒川は流れがやや激しく、ラフティングを頑張る一行がとても楽しそうだった。
物言わぬ客達を乗せた川下りの木船が、彼らの隣を猛スピードで抜き去って行った時以外はw
あまりの訳のわからなさに、皆呆然としていたのが実にシュールだった🤣

上長瀞駅から徒歩10数分で目的地、埼玉県立自然の博物館に到着した。

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コンセプトは埼玉の自然、古生物は秩父縁のものを中心に展示する、という理由でここに建てられたのかもしれない。かつては海だった秩父には貴重な地層が残っており、保存状態の良い古生物も見つかるのである。
まず入り口で私を出迎えたのは、メガロドンの口の復元模型だった。

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メガロドンとは新生代に生きた、史上最大のサメである。あのホホジロザメですら、比べると小魚か赤ん坊にしか見えない怪物だ。軟骨魚類ゆえ本体は見つかっていないが、秩父では歯がいくつか発掘されている。それを基にコンピュータで体格を逆算、再現したのである。
全長約10〜13m程度。16mとも言われているが真相は分からない。主食はクジラ類で、顎の力は見た目通り凶悪だった。一撃でほぼ致命傷を与えていたに違いない。記念撮影も可能なこの模型の上には、全身再現図も吊り下げられている。

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メガロドンの絶滅説は二つある。海の寒冷化が原因という説と、シャチの先祖やホホジロザメとの競争に敗れた、という説だ。というのもメガロドンの絶滅時期は360万年前とされており、ホホジロザメは当時かなりの勢力だったらしい。そうなると寒冷化でサメ類が死滅した、という説に矛盾が生まれることになる。
今後の研究成果に注目したい。

アケボノゾウ。
約250万年前から70万年前を生きたとされる、日本固有の小さな象である。現代の象に比べてとても牙が長いのが特徴だ。

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実を言うと、彼はあの有名なナウマンゾウよりも古い時代を生きている。ナウマンゾウは約65〜42万年前から1万5000年前の生き物なので、先輩という事になるのだ。
それにしても流石に小さすぎやしないかって?それにも理由があるようだ。
元々、日本が中国大陸とまだ陸続きだった際に彼の先祖は日本にやって来た。今日ではミエゾウと呼ばれているそれは、黄河象やツダンスキー象の仲間とされ、本来大型の象であった。ところが日本が大陸から分かれると、狭い日本で適応するために小型化したと言われている。
体長1.8mの可愛らしさだが、牙は1.7m程度らしいので近寄らない方が良さそうだ。振り回されたら串刺しになるのがオチだろう😨

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チチブザワラ
鰆である。あの鰆だ。しかし体長2m〜3mの怪魚である😱約1500万年前の秩父で生きていた。
実際に骨を見れば体感できるが、とにかく何もかもデカイのだ。とても一人では食べきれそうにないと分かるだろう。
こんな巨大鰆、写真がなければ誰も信じてくれないだろうと思ったものだw
早速翌日同僚に話してみたが、やはり出鱈目を言うなと一蹴されましたとさ🤣

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パレオパラドキシア。
以前にも書いた生物だが、この博物館には彼の実際の化石が多く、説明も丁寧である。この展示にも、本物の化石がかなり組み込まれている。
秩父といえばこの謎の哺乳類である。ここと同じく秩父にある、おがわ化石館という施設の主役も実は彼だったりする。
より詳しい説明はその時にでもw

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ガリミムス。
ダチョウ型恐竜と言われる雑食性の恐竜で、白亜紀のゴビ砂漠に暮らしていた。体長は4〜6mと大きいが、とにかくこの恐竜は足が速い!その脚は殆どチーターと変わらない速度だったらしい。
名前の由来は「ニワトリモドキ」と言われている。しかし脳は割と大きかったようで、比較的知能は高かったのでは?とも言われているが、真相はまだ分かっていない。

このような化石の他にも、埼玉の自然を再現したとんでもなくリアルなジオラマ、触れる剥製などユニークな展示が多数あった。
博物館自体も大自然の中にあるので、季節によって景色を楽しめる。駅の近くの手打ち蕎麦のお店も美味しそうだったし、帰り道ではSL機関車を見る事もできたw

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しかし今回は何よりも温泉を優先する事にしたので、私は博物館を後に、西武秩父駅へ戻ることにした。一風呂浴びて昼寝をすれば多分夕方だし、美味い飯でも食べて帰ろう。
秩父にはまた来る事になるので、温泉の話は次回の道中の際にでも😊

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