首長竜の故郷 (本編)

いわき化石館「ほるる」は福島県湯本駅の近くにある。アクアマリン福島からだとやや遠いので、レンタカーの方が良かったかもなと少し後悔したが、まぁそんな事はどうでも良かろうw
ここは化石だけではなく、かつて湯本で栄えた炭鉱を再現した、超本格的な展示が目玉でもある。化石よりそっちがメインの建物かもしれない。
それでは太古の穴倉へ突入しよう!

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まず出迎えたのはフタバスズキリュウ。
これは予想通りだったので驚きはしなかったが、その隣は予想の斜め上だった😅
いわき市で発掘された鯨たち、その名もイワキクジラである。

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イワキクジラ、というのは総称。いわき市で発掘された鯨たちを纏めてそう呼称するのだそうだ。主に髭鯨が多く、400万年前を泳いでいたらしい。まーデカイ😅
さてメインホールへ!

古生物の数は予想より少なかったが、ホールは巨大だった。そして貴重品が多い!
量より質で勝負してるのかもしれない。
今回の記事では、関東ではあまり見れない古生物を紹介したい。

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プリオサウルス。
私のnoteの愛読者なら、彼が何類か?は一発で分かるはずだ。
所謂首の短い首長竜である。
しかも実物化石だ!これは凄い!
プリオサウルスはジュラ紀後期の海を泳ぎ回り、主に魚、貝類、魚竜や他の海棲生物等を食べていた。見れば分かるが、好き嫌いなんて想像もつかない口をしている😱
しかし白亜紀に入り食料の魚竜が衰退を始めると、それを食べる彼らもまた、衰退して絶滅したと考えられている。
モササウルスと何が違うんだ?首が短いのになんで首長竜?と思う人は、過去の国立科学博物館2の記事を読んでみてほしい😊

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エレモテリウム。
隣にいるのはサーベルタイガーことスミロドンだ。その異常なデカさがお分かり頂けるだろうか。
何てデカイ熊だって?いやいや、こいつ熊じゃないんですよwえ?バカを言うな💢って?こいつ実はナマケモノなんです🤣

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エレモテリウムは新生代の鮮新世〜更新世を生きたメガテリウム科の一種。別名オオナマケモノである。国立科学博物館にもメガテリウムが展示されているが、こんな巨体はここじゃ無いとお目にはかかれまい。
全長6〜8mにもなる怪物だが、ナマケモノなので草食だし、骨をよく見ると尻尾も長い。重すぎて木に登れず、専ら地上で生活していた。鉤爪で細い木を引き寄せて葉を食べていたようだ。
うん、やはりナマケモノだ😅
あまりの巨体故に天敵がおらず、肉食獣の蔓延る新生代第四紀でも悠々と暮らしていたらしい。
まぁそりゃそうだろう。例えサーベルタイガーとて、ここまで巨大で鉤爪なんか持った化物なんか、相手にしたくはないはずだ😨
では何故滅んだのか?原因はまさかの人類登場による乱獲だそうだ。流石の巨獣も、我々のご先祖様には勝てなかったらしい😅

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アルバートサウルス。
中型なのでアロサウルスに見えなくもないが、彼は原始的なティラノサウルス科の恐竜である。1884年にカナダのアルバータ州で発見されたので、アルバートサウルスという訳だ。発見したのは地質学者のジョセフ・ティレル。偉大な探検家・学者であり、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館は彼の名が由来でもある。
おっと、アルバートサウルスの話に戻ろう。彼は顎がそこそこ強かった事、群れで行動していた形跡があった事等が判明している。他にも、体表には鱗が2種類あり、少なくとも腹部の鱗は他と異なる形をしている、歯が頑丈で損傷を受けにくい等、かなり細かいところまで研究が進んでいる。
それもそのはず、アルバートサウルスはこれまで30を超える個体が発掘されているのだ!標本が多ければ多いほど、様々な事が分かるのである。

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タペヤラ!
これはかなり貴重な翼竜だと私は考えている。日本全国で彼を見れる博物館は、そう多くはなさそうだと直感で悟った。
ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のアレクサンダー・ケルナーは1986年に化石マニアからコレクション見学の誘いを受けた。実はあのアンハングエラが見つかったのも、同一人物のコレクションからである。
珍品が並ぶ中、奇妙な化石と出会いそれが頭から離れず、1988年に研究許可を得ると早速それをクリーニングしたそうだ。その結果、実はそれは頭部である事が判明した。
しかしその形は異質であったのである。
どうやら巨大なトサカがあったらしいが、用途は不明らしい。翼開帳3mの個体もいたが、殆どはその半分程度だったそうだ。魚や果実を食べていたと考えられている。
これがその復元図である。

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因みにタペヤラとは、ブラジルの先住民族トゥピ族の神話から取った名前らしい。
意味は「古き存在」。因みにアンハングエラは「老いた悪魔」だそうだ。

他にも貴重な個体はまだまだあるのだが、このままでは全部紹介してしまいかねないのでこの辺で切り上げよう😌
化石エリアを抜けると、地下の鉱山を再現したジオラマへ向かうことになる。
そこに行く時は階段ではなくエレベーターを使ってみるといい。面白い演出をしてくれるので、一気にテンションが上がるだろう!
鉱山の話は長くなるので、また別の機会にしようと思う。
それではまた次回をお楽しみに!

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