国立科学博物館 地球館 3

中生代の海洋生物コーナーの目の前には、新生代の化石達がずらりと並んでいた。先のティロサウルスで中生代は終わり、という事なのだろう。これだけ大量の古い哺乳類の化石を眺めるのは初めてだし、心が踊る😊
そんな私の前に、異様な巨大生物が現れた。
始新世の海の王者、バシロサウルスである!

・・・皆さんの言いたい事は分かる😆
「誰がどう見たって爬虫類じゃないか!💢言ってる事がさっきと全然違うだろ!💢現にサウルスなんてついてるぞ!」という声が聞こえてくるのは私だけだろうか😅
まぁまぁ皆さん、落ち着いてください🙇‍♂️実はこやつ、大昔のクジラなのです🐳

バシロサウルスは1832年に、米国のルイジアナ州で発見された。だが発見者も当時の学会もやはり勘違いしたのか、結局バシロサウルス(王のトカゲ)と名付けてしまった。後に始新世(新生代の初期)の頃のクジラだと判明したが、一度名付けた学会の正式名称は簡単には変えられない😭
だから今日も恐竜だと誤解する方もいる😅まぁ大きさも骨格も、先に載せたティロサウルスと似ている。並べたら尚更そう思うだろうw
暖かい海に暮らしていたので、不要な脂肪がついていない。細長い体を上下にくねらせて泳いでいたとされている。尾鰭は恐らく、今の鯨と同じ形だったと想定されている。
頭部が小さく、今の鯨のような知能も社会性も無かった。尾鰭も筋肉も未発達で、やはり現代の鯨並の遊泳能力と潜水能力は無かった。また、ほんの僅かだが後ろ足も確認された。バシロサウルスは今のクジラ達(現鯨類)とは全く別グループの生き物で、主に原クジラ亜目やムカシクジラと呼ばれている。
そんなバシロサウルスの食料だったのが、このドルドンである。

始新世の海に生きた、一回り大きなイルカに近い生物。群れで生活していた痕跡があり、恐らくバシロサウルスのような捕食者に対抗していたのではないだろうか?と推測されている。
イルカと聞くと可愛いイメージが湧くかもしれない。復元図もイルカを意識してるのか、割と愛らしいデザインだ。
しかしドルドンは先のバシロサウルスと同じ原クジラ亜目のグループ。口を見れば可愛らしさはすぐに飛んでいくことだろう😨因みにイルカも、口の中まで可愛らしくはないようだ😱

アルシノイテリウム。
何の仲間でしょうか?と聞けば、相手はまず間違いなくサイだと答えるだろう。
しかしこれは象の仲間である。

インチキを言うな💢そんな訳があるか!😡という方もいるかもしれないが、サイに間違えるのも無理はない。
アルシノイテリウムはサイと似たような環境で過ごした結果、※収斂進化(しゅうれんしんか)という現象を起こしたとされているのだ。早い話が全く違う生物が、同じ環境下で適応し進化した結果である。
とはいえ、彼のツノはサイと違って中身がスカスカで、更に皮膚に覆われていたそうだ。また、アルシノイテリウムが何から進化したのかはまだ分かっていない。
まだまだ謎の多い生き物である。

※収斂進化については魚やイルカ、もしくはサメを思い浮かべて貰えると分かりやすい。魚もハクジラ類もサメも、全く別の生物なのに体にヒレがある。体型も大体流線的だ。これは海という環境で暮らして適応した結果とされている。ペンギンだって体つきは流線的だし、飛べない翼はヒレのようになった。
実際探してみると他にも、事例はいくらでもあったりする。

パラケラテリウム。
この異様なデカさ!何と体長約7mだそうだ。
首もやたら長いのが特徴である。
これは何の仲間かと質問すると、大体の人はキリンだと返ってくるだろう。
残念!これはサイの仲間なのだ。
え?いい加減にしろって?🤣

ではWikipediaの画像ならどうだろうか?
少しは🦏っぽく見えるかもしれ・・・今度は馬っぽい?うーん😅
パラケラテリウムは大きさに似合わず、動きは軽快だった。元々サイが馬の近縁種、というのもあるかもしれない。Wikipediaの絵がどこか馬に似てるのもそういう事だろう。
しかし巨体が災いしたのか、沼に足を取られると抜け出せずそのまま死亡、なんて事もあったそうだ。かなりの暑がりだったという説もあり、実際は夜行性だったのでは?との意見もある。草食性で高い木の葉を食べており、これは現在のキリンと変わらなかったようだ。
因みにこのパラケラテリウムを含むサイの一派は、進化の系統がハッキリしていない。いくつか平行進化した系統も見られるので、系統図がとても複雑になっているらしい。
ハッキリしているのは新生代の初期には先祖がおり、彼らはユーラシア大陸出身という事ぐらいである。

皆さんお疲れ様でした!
実際の展示物はまだまだ沢山あります。例えばあのバシロサウルスの先祖もひっそり展示されていたり・・・アレを見たら誰もが驚くと思いますよ😊
あまり紹介し過ぎても楽しみが減るだけなので、ここで一旦区切らせて頂きます。
稚拙な文章でしたが、最後までお付き合い下さいましてありがとうございました🙇‍♂️

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