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篝火の裏方で何をしているか

皆さんはじめまして
Quotsu(くおつ)と申します。
年末恒例の企画、寝椅子さん主催のスマブラ Advent Calendar 2023に参加させていただきました。
(https://adventar.org/calendars/8822)
(https://adventar.org/calendars/8855)

私は2022年3月に開催されたIGNITE#1から篝火のスタッフとして活動を始めたのですが、様々なセクションや施策を担当する中で普段の生活では得難い経験を沢山積ませていただきました。
今回の記事では私の経験をもとに篝火の裏方は何をしているのか、どんな面白さがあるのかについてその一例を紹介できたらなと思います。
拙い文章になりますが、最後まで読んでいただけたら幸甚です。
また、記事内では敬称略とさせていただきます、ご了承ください。


自己紹介

改めまして、Quotsu(くおつ)と申します。
普段はエンジニアとして働いています。

篝火、ウメブラ、スマパ!、WINNER!のスタッフをしています。
スマブラプレイヤーとしての出自はDXで、X、for発売以降も地元でDXを友達とプレイしていました。
EVO 2013年でDXの競技シーンを知り、aMSaさんの活躍を追うような形でDXシーンにのめり込んでいきました。
SPはE3の招待制大会(https://youtu.be/0IqGeYh1X1s?si=JYhGkazRJiiEF8mp)でDXプレイヤーのArmadaが楽しそうにプレイしているのを見て面白そうだなと思い発売日に購入しました。
VIPに中々到達できずスマッシュログの攻略情報を漁る中でforから続くSPシーンを知り、色々な関東のオフ大会に出場するなどしてなんやかんやあり篝火に辿り着き、IGNITE#1から篝火のスタッフとして活動をスタートしました。
実力はスマメイトレートでスティーブ・ロボで1,600程です。
一番好きな試合はAPEX 2015 PPMD VS Armada戦です(https://youtu.be/DEsp996TGak?si=TdMsJ-B39Us8paxn)

担当ミッション

現在私は篝火スタッフとして以下のミッションをメインに担当しており、今回の記事ではそれらについて何を考え何をしているのか紹介していきます。

  1. タイムスケジュール作成

  2. 配信カード選定

  3. タイムスケジュール管理

  4. 配信クルーとの連係

1.タイムスケジュール作成

大会開催の準備として、会場の鍵開けから完全撤収までのタイムスケジュールを作成しています。
目的は副次的な物を含めたら色々あるのですが、最たる目的は"決められた時間内で全工程を完了させること"と"楽しい時間を最大化すること"です。

1.1 決められた時間内で全工程を完了させること

篝火は浜松町館や所沢くすのきホールなどの会場をお借りして開催しています。
借用にあたり会場側と利用時間に関する取り決めがあり、決められた時間内に完了させられないと会場様に迷惑がかかる他、超過料金が発生する場合があります。
そのため会場を借りられる時間とトーナメントで行われる対戦回数をもとに、何時に対戦をスタートして何時にどのRoundまで進んでいる必要があるのかを計算し、決められた時刻までに全工程を完了させられるよう計画を立案します。
経験と勘で進行する事も恐らく可能ですが、大会当日は気を貼りますし可能な限り判断に掛ける心的リソースは削減したいので、計画を策定し気持ちに余裕を持って大会を進行できるようにしています。

篝火#11 Day1の全体工程

1.2 楽しい時間を最大化すること

オフライントーナメントの最たる魅力は会場が一体となり一つの試合に熱狂する瞬間であり、特にTOP8の試合はその大会で最も崇高で熱気が最高潮に達する時間だと考えています。
また、TOP8に限らず全ての試合にドラマがあります。
その様な考えからなるべく多くの試合を観られるよう、TOP8の試合は全て壇上で行われるようにし、それ以前の試合についても可能な限り壇上・配信席で行われるようタイムスケジュールを作成しています。

篝火#11 Day2の全体工程

2.配信カード選定

篝火ではEGS(YouTube)、EGS(Twitch)、VGBCの3チャンネルで配信をしており、それぞれの配信でどの対戦を載せるかを配信カード選定担当者で判断しています。

2.1 選定の思想

それぞれの回のテーマや対戦カードの文脈を重視して配信カードを選定しています。
具体的には篝火#10では沢山の海外勢が来日しましたので、可能な限り海外勢対日本勢の試合を配信に載せられるように選定しました。
中でもアップセットが起こると思ったカードや、熱いマッチアップは壇上で行われるEGS(YouTube)にアサインしています(Sparg0 VS ヤウラ戦等)。

文脈については因縁や思い出などがその一例です。
最たる試合は篝火#11のzackray VS Etsuji戦で、解説に入られたTさんも仰っていますが2019年8月25日に行われたEGS Cup#2 GFでしのぎを削った二人が約4年越しの2023年10月8日相まみえました。
進行上多少無理をしましたが、EGS(YouTube)に載せてよかったと今でも思っています。
(EGS Cup#2 GF(https://youtu.be/ovGJO39GrlM?si=gqgHS3glSzqKx0qi))
(篝火#11((https://www.youtube.com/live/AtuEq4IKbhA?si=vfKAtpDS5cilYH2W&t=11727))
その他にはVGBCは海外の視聴者が多いことなど、色々な要素を考慮した上でどの対戦カードをどの配信台で進行するかを決定しています。

2.2 選定方法

物凄く愚直ですが、トーナメント確定後にstartggにて全てのPool、全ての対戦カードに目を通しチェックしています。
詳細情報を持ち合わせていない選手については、一人一人のstart ggのstatsやスマメイトやTwitter(現X)からレート、ファイターに関する情報をできる範囲で調べています。
特にDay1は時間がかかりますが普段オフでは見かけないオンラインの猛者の出場や、Day1で起こることが信じがたいマッチアップをチェックすることで、より熱い対戦を配信できるようにしています。
Day2についてもDay1終了後にトーナメントをチェックし、翌日の段取りを決めています。

3. タイムスケジュール管理

当日のトーナメントに関するタイムスケジュールを管理しています。

3.1 配信とタイムスケジュールの兼ね合い

対戦カードをいくつ配信するのかによって進行状況が大きく変わるため、配信カード選定担当者が当日のタイムスケジュールを管理しています。
例えば、BO5の試合が5試合目まで縺れ込み選手の入れ替わりやウォームアップに時間が掛かると、一試合に約30分かかます。
そのためたった一試合と言えど無理に配信数を増やすと大会全体の進行が30分押し、最悪の場合会場利用時間内に全工程を終了させることができなくなる可能性があります。
こうした理由から、配信カード選定とタイムスケジュール管理をセットにして担当しています。

3.2 腕の見せ所

では、タイムスケジュール作成時に決めた数だけ配信に載せ、タイムスケジュールを管理していれば良いかと言われるとそうではありません。
前述の通りBO5の見込み時間は約30分掛ですが、ストレートで試合が終わった場合10分で終了することもありますし、ファイターのマッチアップによっては30分を超えることもあります。
配信上には可能な限り試合を映し続けることが望ましいため、空いた20分や巻く必要のある時間をどう調整するかがタイムスケジュール管理者としての腕の見せ所になります。
また、タイムスケジュール上無理をすることになってでも壇上で進めたいマッチアップ(zackray VS Etsuji等)が起きたときには、以降壇上で行う試合の調整まで考え判断します。

4. 配信クルーとの連係

試合を配信に載せるにあたり、配信クルーとどの様な連係を取っているのかについて簡単に紹介します。

4.1 Stream Queueの登録

『次に配信に載る対戦カードはこれだよ』という情報を配信クルーに伝達するため、startgg上でStream Queueと呼ばれる情報を登録しています。

Stream Queueの例(緑でマークされたクルーで配信する)

Stream Queueを登録すると、この試合はトーナメント上のどこの試合で、選手は誰と誰で、所属はどこで、どの配信台で試合をするのか、と言った情報が配信クルーから確認することができるようになります。

また、配信上部に表示されているスコアボードにもStream Queueは関係してきます。

スコアボード

現在篝火ではkuroteiさんが作成されたBraceBracketというwebアプリを用いてスコアボードを編集しています。
(インタビュー記事:https://note.com/fun2smash/n/nbeae1e7dc33b)
BraceBracketは登録されたStream Queueから対戦に関する情報を抜き出しスコアボードに反映するため、配信クルーがスコアボード編集で行うタスク(ほぼ)スコアの更新だけにすることができます。
また、Stream Queueは後述の選手エスコート担当者に登録していただいています。

4.2 選手のエスコート

前述の通り篝火ではEGS(YouTube)、EGS(Twitch)、VGBCの3つの配信台があります。
それぞれの場所がバラけているため、選手両名には一度進行まで集まっていただき各配信席へエスコートするのですが、合わせて諸連絡をしています。

座る座席について。
EGS(YouTube)の画面に映る要素で左右による要素として、選手情報、ファイター情報、ワイプカメラがあります。
これがうまくいかないと1P側でプレイしているプレイヤーのワイプカメラが2P側で表示されてしまう、といった事象が起きます。
その為、選手が登壇する際に1P、2Pどちらに座っていただくのかを伝えます。

1P(赤色)と2P(青色)の情報を画面上で左右に寄せたい

ウォームアップの有無について。
配信上のスイッチングの見栄えをより良くするため選手に伺っています。
試合が始まったと思い選手カメラからゲーム画面に切換えたものの、ウォームアップだったためまた選手カメラに戻してしまうと見栄えが悪いです。
その為、選手にウォームアップの有無について伺い、無駄なスイッチングが起きないようにしています。

その他、待機していただく座席の案内や、来日選手に対する英語対応などもしています。
会場が大きくなり配信台数が増えるほど手が回らなくなっていたので、協力いただいているスタッフには感謝してもしきれません。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。
列整理、受付、プール進行、全体進行、配信、演出、クリエイティブ、カメラ等、色々な役割を担当するスタッフによって篝火は成り立っています。
その極々一部ではありますがスタッフの担当内容について、皆さんにお伝えできたのであれば幸いです。

自分語りになってしまうのですが…
長らく地方に住んでいたことや出自がオンライン対戦が無いDXであったこともあり、私にとってスマブラは遠い東京や海外で行われているゲームでした。
就職で関東に引っ越してきてからも気が引けてオフ大会に参加することは少なく、ずっと画面越しにシーンを追っていたのですが、篝火#6の配信を観て思い切ってスタッフをしたいと申し出たところから私のスタッフとしての活動は始まりました。
それからと言うものの、沢山の友だちができ、色々な技術を知ることができ、本業にも活きることがあったりと、沢山の幸せなことがありました。
この場を借りてスタッフのみんな、大会に参加してくださった方々にお礼申し上げます。
ありがとうございます。

拙い文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

明日はanaさんの記事です!是非チェックしてください。


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