見出し画像

#VALU を書籍販売に例えながら、価格形成メカニズムを考える

 どうも、くまさんです。小商いの活動原資をVALUで募っています。タイトルに「書籍販売」と書きましたが、「Amazonでの中古本販売」を3年前からやっております。せどりみたいな感じです。月に10冊売って、1万円前後を稼ぐケチな商売ですが、いろいろな知見も貯まります。今回は「書籍販売の経験から、VALUの価格形成メカニズム」を考えてみようと思います。

普通は「中古本」が株価を形成する
 書籍販売とVALUに共通しているのは「新刊と中古本」の関係です。VALUは株を模したサービスですが、発行VAをすべて市場原理に委ねるわけではありません。株では基本的には、売り出されている株の売買で価格が決まります。これは書籍に例えるなら「中古本」です。一度市場に放出されたものが取引されているため、中古本の売買価格が「株価・現在値」に相当する*1と思ってもらえばいいでしょう。
 しかし、VALUではユーザ自身が追加のVA発行量・取引価格を自分で決定することができます。これがVALUにおける「新刊」であり、「新刊」が売れた時にだけ、発行者が資金を得ることができます。

*市場に売りが多いときは市場価格、売り切れたら発行者価格で売買
 中古本も、VALUも、価格形成はこれが基本です。繰り返します。市場に売りが多いときは市場価格、売り切れたら発行者価格です。発行者価格で売買するときは「新刊の売買価格が現在値に」なります。現在はサービススタート直後で、発行者との売買で価格が決まっている方が多いかもしれません。

*実は、中古本もVAもあまり市場に出回っていない
 
まず前提として、Amazonの中古本やVAも、市場に出回る量が少ないです。そもそも市場に出回る中古本というのは全体の割合からして、非常に少ないです。中古本はすでに新刊で購入されたものからしか売られないからです。
VALUにおいても、あなたのVAが市場に放出される可能性は、あなたのVALUERの人数分しかありません。

*品切れが起こると、高値になりやすい
 上記の理由により、AmazonでもVALUでも、品切れが起きやすい状態です。まあAmazonの新刊は売り切れ状態がすぐに解消されますが、、ここ最近のVALUでは中古VAの売出は忌避される、発行者は売出VAを制限する、というトレンドになっています。こうして市場に商品がなくなった場合、自分の希望通りの値段で売ることが容易になります。どの値段で売ることも可能なのですが、発行者では「ストップ高売り」を、購入者では「高値転売」*2 をする選択するケースが増えるようです。

*コンスタントに単価が上がると、売り注文も増える
 さて、取引価格を「連続ストップ高にする」という行為は2つの意味があります*3。一つは「単価の向上で、資金調達を容易にする」こと、もう一つは「単価の向上で、初期購入者の利益確保を図る」ことです。
 1VAが1万円になると、発行者は1購入ごとに1万円の資金獲得となります。また、1000円のときに応援してくれた支援者には、売却して利益を得ることもできますよ、という選択肢を提示することができます。
 売却益が得られるようになると、実際にVAを売却する人たちが出てきます。そうすると、市場にいくつかのVAが投入されます。これまでの話に出てきた「中古本」です。

中古本が増えるとどうなるのか
 世の中のベストセラーの多くは、いまAmazonで1円で売られています。「バカの壁」「ハリーポッター」「もしドラ」、又吉さんの「火花」やサンデルさんの「これからの正義の話〜」さえも1円です。売り注文は100冊以上、ものによっては1000冊以上です。
 応援や支援を名目にしているVALUですので、そこまで多量の売りは出ないはずですが、、もし売り・買いの注文が均衡しない場合は、こういった暴落の可能性があります。さらに言うと、株式などと同じように、最安値から買われていくため、中古がある以上、高値の新刊は一切売れません*4。それゆえに、ベテランの発行者は口を酸っぱくして「大量売りは危険」と語ります。需給バランスを大きく崩す可能性があるからです。

*VAを保有する意味がなくなる瞬間はいつだ?
 
上記の部分が中古本の売買になぞらえた、VAの価格形成メカニズムの解説です。それでは反対に、書籍とVALUの相違点はなんでしょうか?確実なことは「書籍はその中身に価値がある」と考える人が多数ということです。それゆえに、読み終わったら不要になる人が多いです。VAはどうでしょうか?優待のために買っていますか?応援のためですか?「VAを保有する価値がなくなる瞬間」が訪れると、VAは売られ始め、いつかは暴落するはずです。このテーマについては、私もじっくり考えてみようと思います。

*おわりに
 発行者VAを「新刊」、転売VAを「中古」と呼んでみましょう。二つに違いはないのですが、VALUの値動きや売買の際の思惑を理解する、一助になるのではと思います。お読みいただきありがとうございました。

おわり

*1) 株式市場でも、会社からの売り出し価格と取引価格が一致するタイミングがあります。新規株式公開(IPO)のときです。そのほかにもいくつかの増資方法があります。VAを売り出します!というのも増資です。「公募増資」というのに似てます。

*2) 私もあまり高値になると、いったん売ってしまいますが「高値転売」って嫌な言葉ですね。他人には使わないようにしましょう。

*3) 投機は禁止ですけどね。

*4) これ、実は売れるらしいんですが、挙動が不明なので、仕組みを公開するか、通常の取引の仕組みに変える方がいいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?