好きな人たち

僕の好きな人たちは静かにしている。
そして、時々いなくなったりする。
今まで書いていたことを消したりする。
こちらからは見えないようになる。

自分のことで頭がいっぱいになって、困っているのか何なのかは分からない。何か急に鬱陶しくなったのかもしれない。ひとりではなく、何人もそういう人に会ってきたから、それぞれの事情みたいなものは正確には分からない。

好きだった女の子に「私が連絡しなかったらこの関係は終わる?」と聞かれたことがある。よくよく考えれば、人との関係はそんなことばかりである。途絶えることと、関係が終わることはイコールなのかもしれないと、大人になってから分かった。そして女の子になんと返事をしたのか覚えていない。

僕は「お前は連絡を返さない」「電話に出ない」「約束を守らない」「急にひとりでいなくなった」「何を考えているか分からない」などのお言葉を多数頂戴し、コミュニケーション難民状態で大人になった。

一緒にされるのは嫌かもしれないが、僕からすればあなたたちも一緒だ。だから、どうか構えないでほしい。あなたたちの言葉で話してくれること以上に、僕は何も望んでない。

僕の好きな人たちは、自分の言葉が豊かで面白いことに気付いてないように見える。それは才能でもなんでもなく、ありふれているように見える。僕はそれがいつも羨ましい。

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