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9/14 原油価格、トロピカルストーム「フランシーヌ」の影響が和らぎ、序盤の上昇を失う

WTIに与える影響

  1. 供給面の影響: トロピカルストーム「フランシーヌ」によるメキシコ湾の原油生産の一時停止が価格を一時的に押し上げましたが、生産が再開されることで供給懸念は和らぎ、価格は下押しされました。

  2. 需要面のサポート: 米国の消費者信頼感指数や日本の工業生産の改善がエネルギー需要に対する強気の見方を後押しし、WTI価格のサポート要因となっています。

  3. ロシアとリビアの影響: ロシアの原油輸出増加と、リビアの生産再開の兆しが、WTI価格に対して下押し圧力を加える要因となっており、供給増加が予想されるため価格上昇が制約される可能性があります。

総じて、WTI価格は短期的な需給の変動に影響されながらも、供給増加と需要不透明感によって今後も上昇は限定的となる可能性が高いです。​

ニュース内容↓

10月WTI原油(CLV24)は金曜日に-0.32ドル(-0.46%)下落し、10月RBOBガソリン(RBV24)は+0.32ドル(+0.17%)の上昇で取引を終えました。

金曜日の原油とガソリン価格はまちまちな動きを見せました。原油価格は1週間の高値から下落し、トロピカルストーム「フランシーヌ」が過ぎ去り、メキシコ湾で原油生産が再開されたことを受けて、原油生産がオンラインに戻り始めたことで適度な損失を記録しました。この嵐により、過去2日間でメキシコ湾の原油生産が日量67万バレル、つまり総生産の33%が停止していました。

金曜日の原油価格は当初、ドル指数が1週間ぶりの安値に落ち込んだ後に上昇しました。また、S&P 500が2週間ぶりの高値を付けたことから、エネルギー需要を支える経済見通しへの信頼が示され、原油価格を支える要因となりました。

金曜日の世界的なニュースはエネルギー需要と原油価格にとって強気でした。ミシガン大学の9月の米国消費者信頼感指数は予想を上回り、4ヶ月ぶりの高水準の69.0となりました(予想は68.5)。さらに、日本の7月の工業生産は、前月比で+2.8%から+3.1%に上方修正されました。

また、世界中でタンカーに保管されている原油の減少も価格に対して強気の材料です。Vortexaによると、7日以上停泊しているタンカーに保管された原油の量は、9月6日に終わる週に前週比で-2.14%減少し、6,025万バレルとなりました。

先週木曜日、OPEC+が原油価格の弱さと脆弱な世界的エネルギー需要の兆候を理由に、10月と11月の18万バレルの日量増産を一時停止することに合意したことも、原油価格を支える要因となりました。

一方、リビア中央銀行総裁サディク・アルキビール氏は、リビアの原油生産が再開する兆候があると述べました。これにより、リビアの1日あたり100万バレル以上の原油が市場に戻る可能性があるため、原油価格は下押し圧力を受けました。

また、ロシアの原油輸出の増加も原油価格にとってはマイナス材料です。ブルームバーグのデータによると、9月8日に終わる週で、ロシアの原油輸出は前週比で日量4万バレル増加し、314万バレルに達しました。

最後に、米国エネルギー情報局(EIA)の水曜日の報告では、9月6日時点で米国の原油在庫は季節的な5年平均より-4.3%、ガソリン在庫は-0.6%、および蒸留油在庫は-8.6%下回っていると報告されました。また、同期間の米国の原油生産は1日あたり1,330万バレルで、前週から変わらず、過去最高の1,340万バレルにわずかに及ばないレベルにとどまっています。


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