2024/5/18 SVALBARD/kokeshiツアーについて
ご無沙汰しております。不祀のケイグオです。
昨日、SVALBARD JAPAN TOURの大阪公演でオープニングアクトとして不祀が出演させていただくことが発表されました。
SVALBARDとkokeshiのツーマンで東名阪を回るツアーということです。
名古屋の公演は東北のお友達(僕が勝手にそう思ってる)提婆達多さんだそうで。
提婆達多と不祀のチョイスはkokeshiの元凶、僕のアニキ亜光さんとのこと。
本当にありがとうございます。
このライブに関していろいろと思いがあり、何から書こうかと思ったんですが、全部繋がってる話になるので長くなりますが順に書いていきます。
精神疾患
2023年の秋頃、周囲の人に病院へ行くことを勧められ精神科へいきました。
診察と検査を受けたら、適応障害と診断されました。
この頃は本当にどうしようも無くって、生きててわけわかんなくなっていました。
行ってきなさいと言われるくらいだったので、よほど様子がおかしかったのでしょう。
病院行った次の日から即、お仕事は休職です。
働けませんでした。
大好きな阪神タイガースが2023年遂に辿り着いた日本シリーズの試合を見ても全然心から喜べなかったです。
音楽はやりたいって思ってるはずなんだけど、やりたいんだ!というシンプルな欲求ではなかったです。
"やらないと何かが終わってしまう"から、とりあえずやるしかないみたいな状態でした。楽しくはなかったと思います。
そして今に至るまでの引きこもり生活が始まりました。
抑うつ生活'23
引きこもり始め、最初は何もできませんでした。
掃除すらまともにできない。
軽い運動もできません。
とりあえず部屋で動けないのに時間だけはあるので、それまで見てなかったような有名なドラマやアニメや映画を見まくりました。
完結したことだけは知っていてまったく見るつもりもなかったVIVANTにとても興奮しました。
ジョジョの奇妙な冒険のアニメを一部から六部まで見ました。魅力的なキャラクターたちと旅をしているようで楽しかった。
岸辺露伴は動かないも好きでした。
ケイゾク、SPEC、SICK'Sとスピンオフをすべて見ました。
僕の好物の世界観でした。
マーベラスミセスメイゼルを見ました。
二重生活からスターダムを駆け上がっていく話。
やりたいことをやるって、なんなんだろうって響きました。
鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMISTを見ました。
熱くなり、大泣きしました。
仮面ライダーBLACK SUNを見ました。
元からキャッチーなフォーマットの下でハードな表現をしながら、いかにテーマを現代人に突き刺すのか。その手法について考えさせられました。
20世紀少年を見ました。
こんなの僕の物語じゃないかと突き刺さりました。
ラストシーンが大好きです。
半沢直樹を見ました。
なぜ社会現象になったのか、時代の背景も踏まえてそのキャッチーさを痛感しました。
俺の家の話を見ました。
テーマを貫きながら、うまく喜怒哀楽を使って見る側の人生と重なるように表現していてよかった。
プロレスネタなのも好きでした。
これも二重生活なのも良かった。
あとはネット麻雀を始めたりグラセフ5をしたりしました。
全部認識はしていて、少し気になっていたものばかりです。
こんなに時間がなければそのまま触れていなかったことでしょう。
さすが、自分自身が前からちょっと気になっていたものですね。
これまで知らなかったものが何もかも面白くて楽しくて、そうして人間を取り戻していきました。
亜光くんとの電話
そんな心のセルフリハビリをしながら少しずつ人と話せるようになった段階で、もともと自分が好きだった人とも話したいと思いました。
自分はどう生きるべきか、それにアドバイスを貰うわけじゃなくってその人はどう生きてるのか知りたくって。
正月の新宿でのライブからそのままCYANSEAのカメの家に行ったりもしました。
それで、kokeshiとはじめて会った時から僕が一方的に大好きな亜光くんと話してみたくなり電話させてもらいました。
いろいろ聞かせてもらい聞いてもらい。
一番共感し、心に残ってる部分は「ヤベー生き方でヤベーものを見せる聞かせる」って話でした。
前を向ける一歩になりました。
というか、別に無理に前を向かなくたっていいんだよなと思えました。
そんな縁もあるからこそ、今回のライブには並々ならぬ思いがあります。最高だ。ワクワクしてます。
メンバーの脱退
不祀は5人組のバンドでした。
もともと前身のバンドがあり、2018年に別バンドとして不祀を始めてそこから5年半の時が経ちました。
活動を続けていくうちに色々なことがありました。
メンバーの就職、転居、結婚、出産などあらゆる人生の岐路を共有してきました。
さまざまな理由によって活動が難しくなることもありました。
その度になんとか穴埋めして継続してきました。
それでも人間の人生と価値観がたまたま重なり合ったところで音楽活動をしていたわけですから、そのベン図が重ならなくなるタイミングもやってきます。
ひとりずつ居なくなり、僕とタクマだけになりました。
僕もぶっ壊れてたしいっぱい迷惑をかけたと思います。
ぶっ壊れてるやつを放って去っていくなんてひどいなとは別に思いません。
それぞれの人生ですから、辞めたくなるのもその人生だし僕が壊れてるのも僕の人生です。
世間では丁寧にメンバーの脱退理由などを説明するバンドがほとんどでしょう。
本来そうするのが誠意ある対応と言えるのかもしれません。
ただ、あえて言うならば、不祀を不祀として続け不祀がこれからもあり続けることこそが何よりも僕達の誠意だと思っています。
構成する人間の問題よりも、不祀という価値観が続く方が重要なのだと。そう考えて。
全部終わりにして解散してしまったって別によかった。
それでも僕らはやることを選んだ。
それだけです。
抑うつ生活'23の終わり
'23とは言いますがいまだに地続きです。
いまだに引きこもりです。
でもいろんな人に会えるようになった。
会いに行けるようになった。会って楽しいと思えるようになってきた。
ハワイに行ったり、F1GPを観に行ったり、プロ野球を観に行ったりして、"楽しい!"を取り戻しています。
アナールナスラック良かったなぁ。
プロレス観るのも楽しいです。
やっぱり僕は、生き様とリンクしたエンターテイメント、特にライブエンタメが何より大好きなんだなぁ。
病気のせいでグルグル考えたことだとしても、この期間に考えたことや感じたことは自分の芯になります。
"生きてきた矛盾"と"よくできた普通"をかなぐり捨てて音を出そう。
"すがってきた思い出"と"いらなかった命"をかなぐり捨てて音を出そう。
もしかしたら、もっと前から分かっていたことかも。
でもこれをハッキリと言えるようになったのだから。
さあ、見せかけや演出やノリじゃない、本当の"生きること"を見せてやりましょう。
命を削って出す叫び声を、アイ・ラブ・ユーの代わりに。