追放された俺は世界で唯一の頭クエメな"なかま"だった!? 時間湾曲でウィンゲート開いて無双中!!

「ワリィ・・・パーティ抜けてくれるか?」

 リーダーから突然、言い渡された戦力外通告に俺は「why?」としか言葉が出なかった。

「何度注意しても同じこと繰り返すし、忘れ物は毎度だし、時間をきっちり守るのはお前のいいところだけど、それ以外が酷すぎるんだよ。戦いに関しても貢献してるわけじゃないしよ、荷物もちなら誰でもいいってわけじゃないんだよ。俺たちはさっさとCランクに上がりたいんだよ、慈善事業でお前を雇ってるわけじゃねぇんだ!」

「・・・そ、そう、今まで悪かったよ。それから今までありがとう。」

 手帳持ちの俺にはリーダーに言い返す胆力もなかった。

 パーティから抜けたあと俺は安宿でただ呆然と日々を過ごしていたある日、自分の前世が創造神アヤラに愛されたクエストメイジ使いだった思い出した。何千、何万という時間をクエストメイジに費やした大陸一の使い手で親しい友人からは頭クエメと言われていた。

 前世を思い出した俺は街を出ることにした。心機一転したいというのもあるが一番の理由は元パーティーメンバーと街で出会うと気まずいからだ。
 新しい街への旅の途中、辺りも暗くなったので街道から外れた場所でキャンプをしていると木の影から男が声をかけてきた。

「キャンプは迷惑だからやめろ」

 男の名前はケンジットといい、この辺りに住んでいるらしい。

「俺がキャンプしようが自由じゃないですか? 迷惑とか言われてもしりませんよ、文句があるならBlizzardに報告すればいいじゃないですか」

 男は眉間に皺を寄せ、こちらを睨んでいた。

「もうお前に言うことはない、はやく立ち去れ」

 それだけ言い残しケンジットは立ち去ろうとするが、一匹のサトリスが現れ行く手を阻まれる。

「TNPOKOOOOOOOOOOOOONOOOOO!!!!」

「あ、危ない!!!」

即座に魔法を完成させ配信に飢えたサトリスを葬るとケンジットは驚いた顔で聞いてきた。

「な、なんなんだお前は・・・?」

「俺はーー」

 パーティーのお荷物だった頃の名前が出そうになった。
 弱かった自分はもういない。
 これからは新しい人生を歩むんだ。
 そう決意した僕はケンジットに前世の頃の名前を伝えた。

「僕はなかまーー"多動"のなかまです」

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