Note 8: ラトック家電リモコン(完結編・Siriで十分?)

長々とお送りしてきた汎用リモコン編も今日で完結だ。

前回までのあらすじ

家のリモコンが多すぎで、すぐにどっかに行くのがメンドクサイと思っていたので、ラトックシステムのスマート家電リモコン、RS-WFIREX4を買った。

これを使うと、iPadから電波を飛ばして、理論上はあらゆる家電をコントロールできる。
プリセットのプログラムですぐに使えるやつも使えないやつもあったが、まあまあ便利。

これが、AmazonのAI、アレクサにも対応していることがわかった。
激安タブレット、Amazon Fire HD 10を買おうと思ったが、iPadにアプリを入れればアレクサが使えると分かった。
(下のアプリはAndroid版。Androidでも使える)

ただアレクサは、急に野球ニュースを読み出したりして怖いので、使用を諦めた。
たったこれだけのことを、ずいぶん長々と書いてしまった。

さて、いろいろ設定していると「Siriに登録」というメニューアイテムも目に入った。
どうやら、Siriにも対応しているらしい。

Siriとは

Siriは、iPhoneに住んでいる音声アシスタントの仮想的人格(ペルソナ)だ。
Amazonのアレクサ、あとMicrosoftのコルタナみたいなものだ。
(Googleだけは「オッケー・グーグル」と会社名で呼ばせる。なんでだろ)

Siriってネーミング・センスどうなんだろうね。
どの人にも似ていない個性的な名前ということなんだろうか。
でも日本人はどうしようもなく変な名前だなと思う。

もし昔の日本女性だったら、おシリさんである。
まあこの話はいい。

Siriも音声認識にAIを使っていて、クラウド上のサーバーに載っている。
つまり、何かを話しかけると、その声は海を越えてアップルのサーバーに行く。
もしこれに汎用リモコンをつなぐとこういう状態だ。

【人間】>操作>【iデバイス】>WiFi/携帯信号>【ネット】>【Appleのサーバー】>【ネット】>WiFi信号>【汎用リモコン】>赤外線>【各家電】

Apple社にプライバシーを渡すことになるが、前にも同じことを書いたが、ぼくは恥がないから別に構わない。
ただ、AppleはAmazonやGoogleとは違い、収益はあくまでハードの売上であげ、顧客の個人情報で儲けようとは思わない、と言っている。

どうなんだろうね。

設定してみた

あいかわらず前置きが長いが、設定した。
やればできた。
細かいところは忘れた。
スミマセン。

Siriのリモコン登録は、アレクサとはちょっと芸風が違う。

アレクサはアグレッシブにAIを使って人の心を読もうとする。
だから大胆な失敗も多い。
でも、学習していけば「おい、あれ持ってこい」「あいよ」みたいな亭主関白と古女房みたいなノリも出来ると思う。
博多の人は「アレくさ、アレ持って来ると」とか言うんだろうか。
しょうもなくてスミマセン。

それに対してSiriは、あくまでキーワードを愚直に録音させる。
扇風機を点けるには「扇風機を点けて」と、ユーザーが録音する必要があるのだ。
ユーザーの声音や言い方のクセを記録しているわけではなく、ちゃんと文字として認識して「扇風機を点けて」という文章として受け取ってはいる。
ただし、扇風機を点ける命令語として「扇風機を点けて」という言葉を登録する必要がある、ということだ。
だから「扇風機オーン!」という、昔のロボット・アニメみたいな言い方も、したければすればいい。
「時代の風を巻き起こせ!」とか言うことも出来る。

「扇風機を切って」という命令語で、扇風機をオンさせることも、やれば出来る。
うちのユアサの扇風機の場合、オン/オフが「扇風機 入/切」というトグル・スイッチ(かわるがわる状態が遷移するもの)になっているので「扇風機を点けて」と「扇風機を切って」と両方登録できる。
「扇風機を点けたり切ったりする、あのトグル・スイッチを一回押して」と言うことも出来るが、言うのがメンドクサイ。
ぼくの場合は「扇風機 入/切」に「扇風機切って」を、「風量を変える」に「扇風機入れて」を登録した。
いきなり風量ボタンを押しても起動するからだ。
このへんは機種ごとに設定すれば良い。

iPhoneとiPadで同じ登録語を入れようとするとうまくいかなかった。
どちらにも登録語を入れなければならず、しかも登録後はSiri内で一意でなければいけないのだ。
そうでないと「そのワードはもう登録されています」とエラーになる。
iPhoneには「扇風機オン」、iPadには「扇風機つけて」とか、そういう運用をしないといけない。
このへんはぼくが勘違いしているのかもしれないが、どっちに何を登録していたか覚えていないといけないのだ。
だとしたら面倒過ぎる。

でも、最初はそうしていた。
まず「ヘイ、シリ」でSiriを起動する設定にした。
部屋で「ヘイ、シリ」と言うと、iPadとiPhoneが同時に「はい、なんでしょう」と言う。
「扇風機つけて」というと、iPadが「ハイ、わかりました」、iPhoneが「すみません、おっしゃることが分かりません」と言う。
アハハ。
アホみたいだから、結局家電リモコンのSiri運用はiPadだけにした。
iPhoneからリモコンを使う時はラトックのアプリでボタンを押す。
これで十分だ。

使ってみた

しばらく使ってみて現在に至るが、ちょくちょく失敗する。
この失敗がなかなかイライラする。

「ヘイ、シリ」というとポーンという音がするので「電気つけて」と言う。
「わかりました」と言って電気がつく。
これが正しい流れである。

言い方が悪いと「はい? なんでしょう?」「おっしゃることが分かりません」「ちゃんと聞いていますよ」「御用はなんですか」などといろいろ言ってくる。
この変な人間味が逆にイライラする。
電気を付けて欲しいだけなんだよ!

「わかりました」と言って何もしないこともある。
「わかりました」と言って部屋を半分だけ明るくしたりする。
(うちは6畳ごとにライトを1個つけて、リモコンコードを同じにして2個まとめて、点けたり消したりする運用)
この場合は「ヘイ、シリ」からやり直して「ライト点けて」と言う。
だんだんこっちの言い方もぶっきらぼうになってくる。
なにやってんだ俺。
情けなくなる。

「完了しました」(もう点いていますよ、というニュアンス)と言って何もしないこともある。
これは腹立つ。

あと「スマート・ホーム機器が設定されていません。正しく設定すれば、お役にたてますよ」と長々と上から目線で言ってくることもある。
別にぼくの設定が悪いわけじゃなくて、同じことをもう1回言うだけで、今度はちゃんと動いたりする。

プログラムの間違いぐらい誰だってするけど、このときと場合によってやることにムラがあって、いちいち生意気な口を聞いてくるのがイライラする。
必要以上にイライラしているが、妙に人間味をもたせるからこっちも感情的になるのである。

どうも照明器具は得意なようだが、扇風機は苦手なようだ。
設定が悪いのだろうが、どの段階で失敗しているのか、深くて分からない。
ということで、リモコンアプリは便利だから手放せないが、Siri対応はイマイチだ。

(追記1:扇風機を動かせるように再設定)

上の文章を発表してから、照明はコントロールできるけど扇風機はできないとか、あまりにもおかしいので設定を見直してみた。
iPadの扇風機関係のSiri命令を全部いったん消し、再度登録(録音)してみるとあっさり動くようになっていた。
どうもiPhoneと紐付いていたとか、そういうことがあるのかもしれない。

あと、iPhoneはAIがアグレッシブではなく、文脈を読まないので、「扇風機切って」と「扇風機を切って」、「扇風機を点けて」と「扇風機点けて」「扇風機入れて」と「扇風機を入れて」などを、全部違うものとして捉える。

似たような言葉を全部入れるか、間違えずに同じことを言うか、気をつけたほうがいい。あんまり子供の頃イメージしていたロボットハウスのイメージと違うけど……。

(追記2:テレビとビデオもなんとか使えるように)

こうなるとテレビとビデオも使いたい。これで自分に関しては家からリモコンを一掃できるのだ。

テレビとビデオに関しては、手動のアプリだけ使えるようにすればいいと思う。あんまり「ヘイしり、音量上げて」とか「ヘイしり、ビデオ10秒戻して」とか言わないだろう。言うやつはCMに出てくるリア充だけだ。

ということで、ラトック家電リモコンアプリだけを設定して、Siriは設定しないことにする。

テレビは現状で、よく考えたら大丈夫だ。ぼくはほとんどテレビは単体で使わないので、スイッチオン、オフ、音量上げる、音量下げる、入力切り替えをビデオにする、だけでいいのだ。だから現状で良かった。

ビデオも、よく考えたら見るナビ(録画済み番組の選択)と、30秒早送り、10秒巻き戻しが出来ればだいぶ違う。ほとんどの番組は予約録画しているので、リモコンは再生時しか使わないのだ。

いまのところ30秒早送り、10秒巻き戻しが出来ないのがイタイ。これが出来ないので、全体的に使わなくなってしまった。

ということで、この部分だけ再学習することにした。

画像1

リモコンをよく見ると、まったく使わないスロー再生、スロー逆再生のボタンが、すごく使いやすい場所にある。これに、30秒早送り、10秒巻き戻しを再学習すればいい。

要は、自分が使う機能を割り切って絞り、使いやすいところにあるあまり使わない機能を上書きすれば、そうとう使いやすくなる。

こういう姑息な手段で生きていけばいいと思う。

まとめ

過去8回に渡ってきた、スマート家電リモコンだが、こういう結論に達した。

・ラトック家電リモコンは、買ってよかった。
・アプリは、プリセットがちゃんと対応している機器に関しては、百発百中作動する。
・テレビとビデオは、うちにある機種が古すぎてイマイチだ。(追記:ちゃんと設定すればそれなりに動く。上記参照)
・扇風機と照明はナイス。これだけで買ってよかった。
・アレクサは怖くてしばらく使わない。
・でもAmazon Fire HD 10はそそる商品だ。
・Siriは、気を利かせないので、設定に注意したほうが良い。コントロールする機械を1つに絞り、登録語を間違えないようにすれば間違いない。
・ちゃんとしたAmazon Fireなり、Echoなり、Google製品なり、AppleでもHomePodを買えば状況は変わるかもしれないが、それぐらいにしか使わない機器を、高いお金を出して買う気は、しばらくない。

ところで、『2001年 宇宙の旅』モデルのアレクサがあるという話がある。

これだと、多少変な動きをして、こっちが死ぬほど怖い目にあっても、もともとそういうものだから、まあ納得できる。
しゃべらなくても唇を読んだりして。

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA