株式会社三越伊勢丹回答書

2020(令和2)年7月24日

HouxoQue 様

株式会社三越伊勢丹
常務執行役員
三越日本橋本店長 牧野 伸喜

回答書

HouxoQue様(以下、貴殿又はQue殿と申します)より送付された2020年7月14日付「公開質問状」に対し、以下、回答致します。

最初に、上記質問状への当社よりの回答書も貴殿において公開される、ということですので、当社としては、回答書にて回答する上で上記質問状の内容にある関係者のプライバシーの問題にも配慮し、貴殿以外の名前・名称等については、仮名とさせていただきます。ただ、事態を出来るだけ分かりやすいように工夫はいたします。
たしかに、事件の発生の時期は上記質問状にある本店6月27日で、場所は日本橋三越本店内でした。より正確に申し上げれば、本館6階内でのことでした。
当日、本館6階内では2つの美術展を開催しておりました。1つは、特選画廊Aで開催していた日本画展、もう1つは、コンテンポラリーギャラリーA(同ギャラリー内には、コンテンポラリールームもございます)で、開催していた現代アートの美術展です。前者に作品を出展していたのがA氏(と仮名させていただきます)です。後者、すなわちコンテンポラリーギャラリーAに作品を出展していた中にB氏(やはり仮名とさせていただきます)がおられました。
前掲質問状の中に、B氏の作品を説明するのにS氏が登場しますので、この点、説明させていただきます。と申しますのは、当社本店内で当社の社員(スタッフ)ではなくS氏がB氏の作品をなぜ説明することになったのか説明するのがわかりやすいかと存じますので、この点、簡単に説明させていただきます。
B氏出品の現代アートの美術展B氏「キュレーション」展の開催準備は、日本橋三越本店本館6階にて6月2日には始まっておりました。多いときで1日に三越本店社員6名ほどがこの準備を担っておりましたが、その中でB氏より、何度か自身の作品や展示方法についての当社社員の理解不足の指摘等がされ、そのような状況下で6月10日に前掲B氏「キュレーション」展の開催が始まりました。結局、B氏の作品を当社社員が説明する場面は少なくなったものです。
その後、6月24日、特選画廊AでA氏の日本画展の開催が始まりました。
同一の階(フロア)で異なる作家が美術展を同時期に開催することは珍しいものではなく、その期間中にそれぞれの作家が他の作家の美術展を見に行く、というのもそれぞれの作家の自由です。当社では別段制限はしておりません。作家が、自身と異なる作風の作家の作品をご覧になり刺激を受けるといったような場合もあり、また来店いただいたお客様にこころゆくまで作品を観賞していただく環境を妨げない限りにおいては、作家の自由に委ねておりました。
そういう中、6月27日、A氏がコンテンポラリーギャラリーA(B氏の現代アートの前掲美術展)をたずねたときに、今回の事件が発生しました。
同日正午を少し超えた頃、A氏らがB氏らが出品するコンテンポラリーギャラリーAに入って行きました。その中では、出店作品にC氏の作品があり、A氏の目にとまったこの作品をS氏が説明する状況になり、その中でS氏からC氏の作品であることを知らされ、A氏が、「おお、Cさんねえ。こんなの描いてんだ」というやりとりから、A氏とS氏との会話が始まったようです。この中で、質問状にある発言A及び発言Bがあったか、ということですが、この会話の関係者は直接にはS氏とA氏です。S氏とA氏は本回答書では仮名化していますが、特定が可能かといえば可能と考えます。そうなると、S氏とA氏との会話を第三者である当社およびQue殿との間で確認する、ということは、それが仮りにS氏とA氏の意に反するものであれば出来ないのではないか、とも考えます。少なくとも、慎重な判断が必要です。よって、公開質問状への回答として公開する、ということをQue殿が予め言われている以上、かかる発言の確認は、両者のプライバシーの問題もあり、その意に反するかが分からない現状においては、ご容赦いただきたく存じます。
その後、B氏の美術展を見に行ったA氏がS氏から作品説明を受けた後、コンテンポラリールーム内において、B氏とA氏との会話がされました。この会話も、第三者である当社とQue殿において、会話内容を具体的に特定することは慎重にすべきと考えますが、両者のプライバシーの問題を回避すべく会話の概要だけにとどめて説明すると、B氏よりA氏への日本画の本質を問うやりとりがあり、このB氏からA氏への質問・確認に立腹したと思われるA氏が、B氏の作品を批難する、という事態に発展していきました。
当社社員は、他のお客様も多くいる中で、A氏とB氏との間で会場内での言い争いが激しくなっていくリスクが高まったことから、A氏とB氏とのお互いの間に入り、引き離して、それぞれの美術展の場所にとどまるよう努めました。
ところが、その後もB氏は、A氏の日本画展の会場に現れ、A氏出展の作品について質問をし、A氏はその質問の回答を拒む、という事態となり、沈静化には向かいませんでした。
そこで、当社日本橋本店本館6階段フロアーの社員は、A氏、B氏の間がさらに激しくならないよう細心の注意を払わなければならない状況となっていきました。
その中でB氏は、今度は、S氏とA氏とのやりとりを現場にいなかった三越社員Dに聞いてどう思うか、の質問をし、Dが「申し訳ありませんが、私はその発言を聞いておりませんし、個人としてではなく社としての回答となってしまう為、この場では回答できません。」と答えました。
その後もB氏は、何度もA氏の日本画展会場に行こうとするのと、当社社員は止めるよう努める展開となりました。当時、会場内では多くのお客様がいるので、更に問題が起きないよう努める必要があったからです。
また、前掲質問状4~5頁に、三越日本橋本店社員がA氏を擁護しているのでは、との記載がありますが、これは、当社としては確認しましたが、かかる発言は正しくなく、真実ではありません。

ただ、その後も現場で当社社員が繰り返しA氏とB氏との間がこれ以上激しくならないよう努めている中、B氏は、A氏への不満と現在の地位を脅かしてやるといった主旨の発言を繰り返しており、その中で、当社社員が、「あと、2日間、楽しみにしているお客様のために会場主催者(当社のことです)として進めていくのでA氏とは会わせないようにする」旨説明をしております。かかるスタンスが、事なかれ主義でA氏を擁護するもの、と理解されたとしたら、残念なところです。

出展者(A氏、B氏などの作家)も百貨店も、来場して作品を見ていただくお客様がいらっしゃって初めて美術展は成立します。来場していただいたお客様には、作品以外のことで不快な思いを持って帰られるということがあってはなりません。それは、美術展に携わる者、百貨店(主催者)だけでなく、(それぞれ大切な作品を提出された)出展者(作家)にとっても留意すべきことと存じます。
主催者としての当社は、かかる視点(来場し、作品を見に来てくださるお客様が不愉快な思いを感じることがあってはならない。いい美術展だったと楽しんで、また美術展ー当社のものに限りません。日本で開催しているあらゆる美術展を念頭にしていますーに行きたいと思ってもらえるかという視点)に立って、本件の対応を一貫して行ってきたつもりです。その中で不備なことや不足なことがあるということでしたらその指摘を真摯に受け止め改善をさせていただきたいと存じます。美術を愛するお客様なしには美術展は成立しないことを基本にして、今後も、事業を行なっていく所存でございますので、どうぞ宜しくお願い致します。

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*この回答書の中での私、HouxoQueの個人情報に関わる部分については一部修正・削除させていただいております。

株式会社三越伊勢丹様のご回答に感謝致します。
今後の対応については検討の後、発表させていただきます。


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