20240630

 昨日と今日にかけてこの部屋に溜まっていた、色々な備品を処分した。主に今回は私の両親と父親の弟が残していった、おじいちゃんちの様々な漫画やコレクターアイテムであった。中には私の好きなものだったり、見ておきたかったものがあって、それらは残された。私のコレクションの一部になるかもしれないし、捨てられるかもしれない。なんにしろそれらは25年前、この家とわたしがちょうど生まれた頃の物だから値打ちがあるとはいえない。尤も値打ちだけて判断できる物でもないけれども。
 そうしたら、部屋がとても軽くなったように感じた。ふと、部屋にあった深く腰を下ろすタイプの古い椅子に座って眺めていた時ふと思ったのだ。私は今、これからの人生を含めて、これ以上贅沢な空間には住めないだろうなと思った。6畳間ほどの部屋が3つ。そしてそこには私が欲しいと望んだものしか置かれていないのだった。そういうふうに説明されればその贅沢さを示すことを補強するのには十分だろうけれども、そうではなく、空間に居座ってそう感じたのだった。よりにもよって、この年でこれを味わうことになろうとは。これ以上はないのだから落ちていくだけだ。安心感があるような早すぎるような。未来のことなんて誰にもわからないのだから、この先あり得る可能性は残されているだろうけれど、今を噛み締めて、ささやかな下積みとして今年を生きたいと思う。 

 一週間前、暑くなってきたので美容院に行って髪を切ってきた。その時は多分人生で初めて、これからしてほしい髪型を指定した。これまで、どんな髪型もしっくりこなくて、パーマだったり、マッシュだったりを試してきたのだけれど、ついにそういうものからも解放されてこれというものを指定できる年になってきたんだと思うと、多少感慨深い気持ちも湧いてこないではない。いつもおすすめされてそれを選んできたわけだから、しっくりこないことも当たり前のように感じるけれども。

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