勝つということ

2019年8月16日、ベイスターズは広島に負けて5連敗を喫した。
このチームはいつだってそうだ。さぁここから、という大事な時に限って怪我人が続出し、連敗し出す。
今度は何連敗するんだよ。
春先の10連敗は越さないでくれよ。
明日8月17日、私はハマスタ現地応援だ。
負け試合はもう見たくない。
つい先日だって、ウキウキで行った神宮の試合で2日続けて負けたのだ。負けた日の帰路は、いつもの倍以上長く感じた…。

明日の広島の先発はモンティージャ。
…モンティージャ?どうやら初対戦のピッチャーらしい。
ここでポジれないのが横浜ファンの悪い癖だ。
初物に弱いしな…初対戦てことはデータもあまり無いんじゃないか。
何だかよく分からないうちにクルクル振って、勝祭どころか凡打祭りになるんじゃないか?
先発石田は大丈夫だろうか?中継ぎ陣はかなり疲弊しているぞ、広島打線に捕まるんじゃないか?
きっとモンティージャという選手に初勝利を差し上げるんだろう。これで相手先発に初勝利させるのは何人目になるんだろう。
ラミレス監督はまた「これも野球、トゥモアナトゥモアナ」とか言うんだろう。そんな望まないイメージだけは安易に出来てしまうのだ。

この連敗中に、ベイスターズファンである弟家族とご飯を食べに行った。
甥っ子は「筒香選手はいつから打てなくなっちゃったの?」と心配そうに聞いてくる。
今はソトに夢中らしい。
弟は「ベイスターズは甘いんだよ、もう今年の優勝はないない」と言い出した。
なんだって?あんたに何が分かるのさ?
と、思わず姉弟ケンカをしそうになったが必死で我慢した。
それはせっかくの楽しい時間を壊したくないという気持ちもあったが、内心私も心のどこかで同じような気持ちになっていたからかもしれない。

そして翌日8月17日、不安な気持ちを抱えながらハマスタへ向かった。
試合は打線が珍しく繋がり、筒香の200本塁打となるホームランも出て序盤から5点を先制。
それでもカープ打線は怖いのだ。
5点なんか簡単にひっくり返されるぞ。あと2点は欲しい!そう思った直後にまさかのちびっ子柴田が2ランホームラン。
このあたりでようやく「あ、今日は大丈夫かも…」と思えたのだった。
最後は守護神 山崎康晃が数日前の神宮での試合を彷彿させる2ランを打たれながらも、なんとか勝利。
はぁ…5連敗で止まった…。
嬉しい以上に安堵の気持ちが大きかった。

試合を思い返せば、石田が先発投手陣が疲れてる中 6回まで無失点の好投をしてくれたし、そのあとの中継ぎ陣も最低限の失点に抑え、しばらくファームでの生活のほうが長かった戸柱がタイムリー含む3安打、筒香は200本塁打に続けて201本塁打も出た。

5つの黒星が、たった1つの白星に救われる。
数的にはおかしな話だが、野球ファンとはこういう生き物なのかもしれない。
だから勝つことがこんなにも嬉しいのだ。
これがもし10連敗、20連敗であったとしても、きっと同じようにこの1つの勝利に救われただろう。
だからどんなに連敗しようとも、チームを、そして自分を救ってくれる1勝を求めて応援するのだ。
そんな野球ファンになれて、私は幸せである。

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