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値札のない買い物@ジェルバ島

チュニジアやモロッコでの買い物、スーパーの品物には値札がついているけれど、露天やお土産物やさんの品物には値札がついていない。観光客相手のお土産物屋さんで「これいくらですか?」と聞くと「いくらなら買う?」と逆に聞かれる。チュニジアの観光地ジェルバ島で気づいたこと。

「いくらなら買う?ギブ・ミー・ユア・プライス」と聞かれたら、ここで遠慮する必要はないようだ。自分自身が買ってもいいと思う金額の半額以下からスタートする。例えば2000円くらいでも買おうと思うときは、「30ディナール(1000円)」と言うと、相手は「いやいや、90ディナール(3000円)だ」と言ってくる。「え、それは高い。いらない。」とこっちが言うと相手は「じゃあ、70ディナール(2500円)でどうだ」と言ってくる。「それも高すぎる」というと、「じゃあ、ファイナル・プライスを教えてくれ」と言われる。「35ディナール(1200円)」(ちょびっとしか値段を上げない)と言うと、「それはできない。君が5ディナール足したから、僕は5ディナール引く。65ディナール(2300円)でどうだ」こんな感じでジリジリやっていくと、50ディナール(2000円)前後になる。
スタートの値段を変えるとどうなるのかはわからない。でも、この交渉の仕方だと、こちらが10ディナールからスタートしたとしても、結局50ディナール前後で買うようにできているんじゃないだろうか。もともと50ディナール以上の値段をこちらが言っていればあっさり商談成立するし、嫌なら買わなければいいわけだし。
まるで買い手に値段を決めさせたような気持ちするのと、一般的にいくらで売ってるかというより、騙し騙しであろうと双方の適正価格を出していくような気持ちにするのが面白い。これは経済学的にどういうことなんだろう?

ちなみにアラブ的商売に「他店よりも安くします」っていう考えはないようだ。「同じものがあそこの店ではいくらだった」と言っても「うちのは特別だから、品質が違う」とか言ってくる。「2つ買うから安くして」とか「たくさん買ったら安くなる?」と、今まで何回か言ってみたことあるけどそういう概念もないようだ。「これは僕からのプレゼント」と言っておまけをつけてくれることはあるけれど。

写真はジェルバ島、フームスークにて、爆音に誘われて入ったカセットテープ&CDやさんOMYMA MUSIQUE。2000年代からやっているお店だそう。こちらはCD1枚●ディナールと価格が一律で決まっていた。ジェルバ島伝統音楽、リビアの軍楽、チュニジアのハドラ(スーフィー教団)の音楽、リビアの詩人とチュニジアの詩人のCDなど購入。



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