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データ通信の歴史#30

5-8 通信における圧縮

 通信における圧縮とは、データのサイズを小さくすることで、通信に必要な帯域幅やストレージ容量を削減する技術です。圧縮には、可逆圧縮と非可逆圧縮の2種類があります。

 可逆圧縮は、元のデータと完全に同じデータを復元できる圧縮方式です。テキストファイルや画像ファイルなど、情報損失が許されないデータに適しています。可逆圧縮には、ハフマン符号化、LZW符号化、JPEG、PNGなどがあります。

 非可逆圧縮は、元のデータと完全に同じデータを復元できない圧縮方式です。しかし、人間の知覚特性を利用して、目立たない部分の情報を削減することで、圧縮率を高めることができます。音声ファイルや動画ファイルなど、情報損失が許容されるデータに適しています。非可逆圧縮には、MP3、AAC、MPEG-4、H.264などがあります。

通信における圧縮の主な利点は、以下のとおりです。

 帯域幅の削減: データサイズが小さくなるため、通信に必要な帯域幅が削減されます。これは、インターネット接続速度が遅い場合や、モバイル通信を利用する場合に特に有効です。
 ストレージ容量の削減: データサイズが小さくなるため、必要なストレージ容量が削減されます。これは、ストレージ容量が限られているデバイスで特に有効です。
 処理時間の短縮: データサイズが小さくなるため、データ処理に必要な時間が短縮されます。

通信における圧縮は、さまざまな場面で利用されています。

 インターネット: ウェブページ、画像、音声、動画などのデータ圧縮に利用されています。
 電子メール: 添付ファイルの圧縮に利用されています。
 モバイル通信: 音声通話、動画通話、データ通信などの圧縮に利用されています。
 ストレージ: データのバックアップやアーカイブに利用されています。
 圧縮技術は、通信の効率化とコスト削減に貢献しています。今後も、ますます重要性を増していく技術と言えるでしょう。

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