見出し画像

データ通信の歴史#9

1-9 モデム

 モデムとは、変復調装置の略称で、モジュレータ(変調器)
とデモジュレータ(復調器)を組み合わせた装置です。
 モデムは、デジタル信号とアナログ信号相互に変換する役割を担います。

モデムの役割

 インターネットサービスプロバイダ(ISP)から提供される
アナログ信号を、パソコンやスマートフォンなどの機器が
理解できるデジタル信号に変換する。
 パソコンやスマートフォンなどの機器から送信されるデジタル信号を、
ISPに送信できるアナログ信号に変換する。

モデムの種類

 ダイヤルアップモデム: 電話回線を使用してインターネットに接続するモデム。
 ADSLモデム: 電話回線を使用して高速インターネットに接続するモデム。
 光モデム: 光回線を使用してインターネットに接続するモデム。
 ケーブルモデム: ケーブルテレビ回線を使用してインターネットに接続するモデム。

モデムにおける変調方式

  モデムにおける変調方式とは、デジタルデータを伝送媒体上で伝送する
ために、デジタルデータをアナログ信号に変換する方式です。
 変調方式には、大きく分けて以下の4種類があります。

  1. 振幅変調 (AM)
     
     振幅変調は、搬送波の振幅を変化させてデジタルデータを乗せる方式です。
     音声信号のような連続的な信号を伝送するのに適しています。

  2. 位相変調 (PM)

 位相変調は、搬送波の位相を変化させてデジタルデータを乗せる方式です。
デジタル信号のような離散的な信号を伝送するのに適しています。

  1. 周波数変調 (FM)

 周波数変調は、搬送波の周波数を変化させてデジタルデータを乗せる方式です。
ノイズの影響を受けにくいという特徴があります。

  1. 直交振幅変調 (QAM)

 直交振幅変調は、搬送波の振幅と位相を同時に変化させてデジタルデータ
を乗せる方式です。高いデータ伝送速度を実現することができます。

変調方式の選択

 変調方式は、伝送する情報の種類、伝送距離、伝送速度などの条件
によって選択されます。

 音声信号のような連続的な信号には、AMが適しています。
 デジタル信号のような離散的な信号には、PMやFSKが適しています。
 ノイズの影響を受けやすい環境では、FMが適しています。
 高いデータ伝送速度が必要な場合は、QAMが適しています。

モデムの将来

 光回線などの高速インターネット接続サービスの普及により、
モデムの必要性は低くなってきています。
 しかし、一部の地域では依然としてモデムが必要となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?