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データ通信の歴史#15

3-2 有線LANの歴史#1(物理壮まで)

有線LANの歴史は、1970年代に始まりました。
ハワイ大学のノーマン・エイブラムソン教授が開発した「ALOHAnet」
と呼ばれるネットワークが、有線LANの原型とされています。
 ALOHAnetは、ハワイ諸島の島々を無線で接続するネットワークであり、
パケット交換方式を採用していました。

 1970年代後半、ゼロックスのパロアルト研究所にいた
ロバート・メトカーフ氏らは、ALOHAnetを参考に、同社が開発した
パソコン「Alto(アルト)」を接続するLANを発明しました。
 これが、Ethernetと呼ばれる有線LANの元祖です。

 Ethernetは、1983年にIEEE 802.3として標準化されました。
初期のEthernetは、同軸ケーブルによるバス型構成で半二重通信を可能
にしたものでした。
 その後、ツイストペアケーブルや光ファイバーケーブルが
使われるようになると、スター型構成による接続が基本となりました。

 1990年代になると,、Ethernetの速度が10Mbpsから100Mbpsに向上し
ました。
また、1995年に登場したGigabit Ethernetでは、速度が1Gbpsに向上し
ました。

 2000年代になると、10Gbpsや40Gbpsの高速Ethernetが登場しました。
また、2010年代になると、100Gbpsや400Gbpsの高速Ethernetが登場し
ました。

 近年では、5GやWi-Fi 6などの無線LANの普及により、
有線LANの利用は減少傾向にあります。
しかし、高速かつ安定した通信が必要な用途では、
有線LANが依然として主流となっています。

Ethernetは、IEEE 802.3によって規定されている有線LANの規格です。Ethernetの規格は、大きく分けて以下の3つの層に分けられます。

  • 物理層:データの伝送を行う層

  • データリンク層:データの送受信を行う層

  • ネットワーク層:ネットワークの管理を行う層

物理層では、データの伝送に使用するケーブルやコネクタ、伝送速度などの仕様が規定されています。データリンク層では、データの送受信方法やフレームの構造などの仕様が規定されています。ネットワーク層では、ネットワークの管理方法やルーティングなどの仕様が規定されています。
Ethernetの規格は、時代の変化に合わせて、高速化や機能の拡張が行われてきました。
物理層の規格
物理層の規格は、伝送速度やケーブルの種類などによって、以下の種類に分けられます。
1983年にIEEE 802.3として最初に標準化されたイーサネットは、最長500mの同軸ケーブルによるバス型トポロジー構成で10Mbps通信を達成したことから10BASE5と名付けられた。

1985年、拡張規格として登場した10BASE2[2]は、安価な細いケーブルに改善されたため "Cheapernet", "Thin Ethernet", "Thinnet" などと呼ばれた。一方で、従来の10BASE5はレトロニムとして"Thick Ethernet", "Thicknet"と呼ばれることになった[3]。また、同軸ケーブルの信号減衰を補うためのリピータも併せて提案された[4]

  • 10BASE-T:10Mbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格


  • 100BASE-TX:100Mbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格

  • 1000BASE-T:1Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格

  • 10GBASE-T:10Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格

  • 2.5GBASE-T:2.5Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格


  • 5GBASE-T:5Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格


  • 40GBASE-T:40Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格


  • 00GBASE-T:100Gbpsで動作する、ツイストペアケーブルを使用した規格


  • 1000BASE-CX:1Gbpsで動作する、同軸ケーブルを使用した規格


  • 1000BASE-SX:1Gbpsで動作する、マルチモード光ファイバーケーブルを使用した規格


  • 1000BASE-LX:1Gbpsで動作する、シングルモード光ファイバーケーブルを使用した規格




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