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般若心経〜秘密の呪文の物語〜第939幕

本日は、高野山真言宗功徳院 松島龍戒住職の動画『般若心経 ひみつのじゅもんの物語』をみなさんに贈りたいと思います。
大人になったあなたが、ずっと昔、子供だったころに帰って、今、理解する、「般若心経」の物語です。
最も理解しやすい、今のあなたに必要な物語・絵本です。さあ、子供の頃に帰って、お聴きください。

おしゃかさまが
教えてくれた
しあわせになるための
ひみつのじゅもん

その昔、
ヒマラヤのふもとに
シャカ国という、
それはそれは
小さな国がありました

この国の王子さまは、
生まれた時から
人々のことを大切に思う
やさしい人でした

王子さまは
大きくなるにつれ
「みんなが、
もっとよく、
たのしく
暮らせたらいいのになあ」
そんな思いをつのらせ、

とうとう、
おしろも家族もすて、
しゅぎょうの旅に
出てしまわれたのです

そして、
やがてはおしゃかさまと
よばれる、
聖者となられたのでした

そんなある日、
とある山に、
おしゃかさまのありがたい
お話を聞こうと、
おおぜいのお弟子さまたちが
あつまっていました

そして、
おしゃかさまのお話が
はじまるのを、今か今かと
まちつづけていましたが
おしゃかさまは、
じっとすわったまま
うごかず、かたらず、
めいそうに入られてしまったのです

そのとき、
あるじゅもんをとなえていた
かんのんさまは、
心のふかいふかいところにある
『はんにゃはらみた』の中で、
おしゃかさまと
ひとつになっていました
そして・・・

「だれもかれもが、
広い広い空の中で、
ひとつにとけあうことが
できたなら
みんなが、もっともっと幸せに
なれるのです」

そんな、
おしゃかさまの気持ちに
気づいたことを、
たいそうおよろこびになり、
そう、おっしゃたのでした

となりですわっていた、
おしゃかさまのお弟子、
しゃりしさまが
かんのんさまにたずねます

「空の中って、
どういうこと?
みんながしあわせになれる
じゅもんなんて、
ほんとうにあるの?」

かんのんさまは、
ゆっくりと
かたりはじめました・・・

「しゃりしさん、
じつは、わたしたちの体は、
大空にうかぶ、
ふわふわした雲のような
ものなのです

といって、
ちゃんと毎日、
おうちや学校で、
いつもの生活もしていますよね

そう、わたしたちの体は
大空で風にふかれ、
いつもふわふわしている雲、
そのものなのです

でも、かがみを
のぞきこんでみてください
今日、このときのあなたが、
たしかに、そこにいるでしょう

そっと目をとじてみれば
空にうかぶ自分にも
なれるのです

自分の体だけでは
ありません

あなたの、
『今日は暑いなあ』
『あの子が好きだなあ』
『サッカーをやりたいなあ』
『この木は大きいなあ』

そんな、気持ちのひとつひとつも、
大空にうかぶ雲のように
とてもふわふわした
ものなのです

それでいて、
今日このときに、
あなたが思った
確かな気持ちでも
あるのです

しゃりしさん
自分の体は、ここにあるようで
空にあるようで、
自分の気持ちも、たしかなようで
ふわふわしているようで・・・

そんな、
いろんな心で毎日の生活を
みまわしてみてください
なにもかもが、いろんなすがたに
見えるようになりますよ

例えば・・・
うれしかったこと、
かなしかったこと、
ずるいこと、正直なこと
得したこと、損したこと

そんな毎日の、
かなしいことや
くやしいこともみんな、
ほんとうはとっても
ふわふわしたもの

いつかはきっと、
どこかにきえさって
たのしい気持ちになる日も
くるんです
はんたいに、たのしい時間も
ずっとはつづかないのです

みんなが
ひろいひろい空にうかぶ
雲のようなふわふわしたもの
そう思えたら、
もっともっと毎日をたのしく
すごせるのです

でも、それには
ちょっとしたコツがいるんです
それは、
『自分の気持ちは
いつも変わらない』
そんな思いこみを
すてることなのです

あさ、
目ざめたときのけしき、
その日の気分、
いつも同じですか?

イヤなことがあった日の
つぎの朝、
いつもの、
『おはよう』の声にも、
すこし、うるさくかんじたり、
そんなことありませんか

じつは、毎日の、
『気分がいいなあ』
『気分がわるいなあ』
これをかんじさせているのは、
あなたの、
目、耳、鼻、舌、肌、心
なのです
でも、そのはたらきは
いつもきのうと同じじゃない、
そう聞くとびっくりしませんか

しんじられないかも
しれませんが、
その日の気持ちによって、
びんかんになったり、
どんかんになったり
しているのです

たとえば、
とう下校のふうけい、
家ぞくや友だちの声、
花だんに咲くお花の香り、
ごはんやおやつの味、
手をつないだときの感しょく、
なにげない友だちのひとことに
感じる気持ち

そう、
きのうと同じおかしを
たべていても、
イヤなことがあった日には、
おいしくかんじなかったり、

ぎゃくに、
さいごのひとつぶを
じっくり味わっているときには、
いつもよりおいしく
かんじられたり、
そんなけいけんがありませんか

『自分の気持ちは
いつもかわらない』
こう、きめつけてしまうと、
『いつもとちがうなあ』
こう、かんじたとき、
それは人のせいだと
思いこんでしまいます

自分のかんじかたも、
相手のかんじかたも、
昨日とはちがうかも
しれないのに

あなたがもし、
大空にうかぶ
雲のように、
ひろく、
ゆったりとした気持ちで
いられたなら

『あいつのおかげで
試合に負けた』
とおこらずに
『あいつのおかげで
ここまでやれた』
そう思えるようにも
なるでしょう

また、
試合に負けたことで、
いずれ、もっと大きな
わざやせいしん力、
チームワークが
手に入るかもしれません

いつ、だれにとって
よかったのか、
わるかったのか
こっちの道をえらべば
本当にこうかいしないのか
そんなことだれにも
分らないのです

だから、
自分や他人のしっぱいを
そのつど気にしすぎたり、
うまくいったからといって、
よろこびすぎたり、
ゆだんしても
いけないのです

イヤなことがあったとき、
『なんでだろう』
じっくりかんがえて
友だちにそうだんしたら、
『わすれることが
いちばんだよ
明日からまたがんばれば
だいじょうぶだよ』
そう言ってくれるかもしれません

けれど、
別のだれかに聞いてみたら
もっとちがう方法を
教えてくれるかもしれません
なので
『もうこれしかない』なんて
あわてなくても大丈夫です

いろんな人に、
いろんな考えを聞きながら、
そのときの自分に
いちばんの方法を
みつけてゆけばよいのです

人は、
空にうかぶ雲のように、
大きくなったり、
小さくなったり、
はやくうごいたり、
ゆっくりうごいたり
人によって、ぜんぜんちがう
成長をしているのです

なので、
みんなが同じように
先生のじゅぎょうを
聞いていても
みんなが同じ点すうを
とるわけではないのです

その点すうでさえ、
50点でまんぞくな人、
50点でくやしい人、
いろいろです

そう、50点が
おしえてくれるものは
人それぞれ
その大きさも
むげん大なのです

そんな、
広い空でふわふわうかぶ
雲のような心になることが、
おしゃかさまの
気持ちなのです」

かんのんさまは、
こうして少しずつ、
ひみつのじゅもんの入口に
みちびいて
くださるのでした・・・

「しゃりしさん、
みんなのしあわせを
ねがう人たちは、
『はんにゃはらみた』
になることで、
心にわだかまりをなくし、
なやみや、つらさを
なくすことができるのです

もし、あなたも、
『はんにゃはらみた』に
なれたなら、
今までこわいなあと
思っていた人も、
やさしくみえてきたり、

まわりのウソやいじわるで
しかたなく
やっていたことや
かんちがいが
だんだんなくなって、
本当にじしんをもって
あんしんした
気持ちになれるのです

今も、昔も、これからも、
なやみがある人のそばには、
目にはみえないけれど、
たすけてくれる
『だれか』が
かならずいるのです

その『だれか』も
みんな、
『はんにゃはらみた』に
なることで、

阿のく多羅三藐三菩提あのくだらさんみゃくさんぼだい
・・・この上なく
やさしいほとけさま・・・
になられ、
わたしたちを
みまもりつづけて
くださっています

だからこそ、
しっていただきたいのです
『はんにゃはらみた』とは、
ひみつのじゅもんによって
いける世界なのだと

ひみつのじゅもんは、
ずっと昔から
いいつたえられてきた
ことばですから、
いみではなく、
音でかんじてほしいのです

そう、その音とは、
しんぴてきで、
とても明るく、
この上なくさいこうで、
とってもふしぎな、
ひびきなのです

ひみつのじゅもんが、
みんなのなやみを
すべてけしさって、
みた目や、ひとりよがりの
かんがえにとらわれない
すみきった大空のような世界に
つれていってくださるのです

しゃりしさん、
いよいよあなたに、
『はんにゃはらみた』に
いくための
ひみつのじゅもんを
お教えしましょう

これをひたすら
くりかえすことで、
すべてをやさしく
つつみこんでくださる、
まるでお母さんのような
ほとけさまにだかれ、

広い広い大空で
自由にとびまわる、
そんな気持ちに
なれるのです

さあ、
いっしょにこのじゅもんを
となえてみましょう

ぎゃーてー ぎゃーてー 
はーらーぎゃーてー
はらそーぎゃーてー
ぼーじーそわか

ぎゃーてー ぎゃーてー 
はーらーぎゃーてー
はらそーぎゃーてー
ぼーじーそわか

ぎゃーてー ぎゃーてー 
はーらーぎゃーてー
はらそーぎゃーてー
ぼーじーそわか

その時でした
じっとすわって
かんのんさまのお話しを
心で聞いていた
おしゃかさまが、
目をさまして
おっしゃいました

「よいかな
よいかな
わたしのねがいは
まさに今、
かんのんさまが
お話ししてくださいました

世界中にいらっしゃる
この上なくやさしい
ほとけさまたちは、
みんな
『はんにゃはらみた』によって、
大いにあんしん
されていることでしょう」

おしゃかさまの
この言葉に、
このばしょにあつまった
お弟子さまたちは、
大いによろこばれたのでした

般若心経

子供の頃、空に浮かぶ雲を見るのが好きだった。
そんな私、空(くう)は、今も空を眺めては、雲に想いを馳せる日々・・・

僕たちは、何にでもなれる。
そう、心に決めさえするならば・・・


いつもご覧頂きまして 有難う御座います。
スキ フォロー コメント等を頂きまして 有難う御座います。
では また次のnoteで お会いしましょう。

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