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『One』と『空(くう)』を比較してわかった、西欧文明と東洋文明が違う理由 第20幕

西欧文明は、『科学進歩向上の文明』、東洋文明は、『精神性向上の文明』と定義できますが、なぜ、このような違いが現れたのでしょうか?

”これは、それぞれの文明の発生の成り立ち、すなわち、根本にある”概念”が全く異なっていたからだと考えられます。”

私が、この考えに至ったのは、普段見ているテレビのアニメ番組が発端でした。

1.『One for all , All for one』とは?

(1)私が、初めて『One for all』と『All for one』の言葉を知ったのは、週刊少年ジャンプに連載されTVアニメ化された、「僕のヒーローアカデミア」でした。

ビラン連合(悪)の親玉『オール・フォー・ワン』は、絶対的な個性(力)を使って世界を乗っ取ろうとしています。

一方、ヒーロー側 緑谷出来(デク)は個性『ワン・フォー・オール』の力をヒーローのオールマイトから受け継ぎ、真のヒーローを目指し、仲間達と共に、悪と戦って行きます。大変、面白いアニメです。ぜひ、ご覧になってみてください。

(2)次に『One for all , All for one』の言葉を聞いたのは、池井戸潤原作の「ノーサイドゲーム」というテレビドラマの中でした。

弱小実業団ラクビーチームが優勝を目指して奮闘していく物語は、感動そのものでした。

米津玄師が歌う主題歌「馬と鹿」も良かったです。

『馬と鹿』を合わせると、『馬鹿』になるのも面白いところ。(笑)。

なんと、そのドラマの中で、『One for all , All for one』の言葉が、突然出てきたのです。

なんという、シンクロでしょう。(笑)。

その言葉は、ラガーマンの精神として知られており、

『ひとりは、みんなのために、みんなは ひとりのために』

と訳されることが多いのですが、

本当は、

ひとりは、みんなのために、みんなは一つの目的のために』が正解だそうです。


『One for all』と『All for one』は、対をなす言葉です。

まるで、『陰』と『陽』です。

陰陽思想の宇宙観を表した、『太極図』を見ている様です。

うん? 『陰』と『陽』、『太極図』?

どこかで、聞いたような言葉です。

そう、般若心経に出てくる、

『色即是空 空即是色』とそっくりじゃないですか?

2.『色即是空 空即是色』とは?

私 空(くう)のnote第2幕 「ゆる〜く ゆる〜く。般若心経解説。色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)とは?」に少し解説していますので、興味がある方は、ご覧になってください。

『色即是空(しきそくぜくう)』とは、
『この世のあらゆる物(色)や現象は、実体がない』という意味です。

また、『空即是色(くうそくぜしき)』とは、
『実体がないこと(空)が、この世のあらゆる物を形成している(色)』という意味になります。

3.『One for all , All for one』と『色即是空 空即是色』を比較してみましょう

「One for all」と「空即是色」、「All for one」と「色即是空」が、近い言葉のように感じます。

しかし、ここには、大きな違いがあります。

それは、『One』と『空』です。

『One』は、実体のある最小の数字である『1』を表しています。

一方、『空』は、実体のある『1』を限りなく小さくしていくと、数多のチリ屑となり、もはや、実体を持たなくなったものを表しています。

そのため、『空(くう)』は『0』を表すものではなく、むしろ、『無限大』=『∞』を表していると見るべきでしょう。

4.西欧文明を築いてきた人達は、なぜ、『One』の概念から、科学文明を発展させようとしたのでしょうか?

西欧文明を築いてきた人達は、実体のあるもの(目に見えるもの)に着目し、足したり、掛けたりすれば、より良いものができることに気づきました。

例えば、1+2=3。 2×2=4。のように。

一方、実体のないもの(目に見えないもの)=『0』(何もないもの)と考え=足しても、掛けても役に立たない=意味のないものと判断したのです。

例えば、1+0=1。 2×0=0。のように、『0』を」足しても、掛けても、数字が増えることがありません。むしろ、減ってしまうこともあります。

そのため、意味のあるもの=実体のあるものの最小単位として、『One』=『1』を採用したのです。

全ての事象は、『One』から始まる。

これが、『One』の概念です。(私が、勝手に名づけました。(笑))

色々な素材の『One』を足したり、掛けたりして、『無限大(∞)』、すなわち、科学文明を発展させ、『神』に近づこうとしたのかもしれません。

『神』と対話をするために・・・

5. 東洋文明を築いてきた人達は、なぜ、『空(くう)』を追求し、精神性を向上させようとしたのでしょうか?

一方、東洋文明を築いてきた人達は、実体のないもの(目に見えないもの)に着目しました。

しかし、目に見えないものは、意味のないもの=『0』とは、捉えなかったのです。

意味のあるもの=実体のあるものの最小単位である、『1』を、限りなく粉々に小さくしていきました。

すると、数多のチリ屑となり、チリ屑一粒一粒は、全くの実体を持たないもの=『空(くう)』となったのです。『色即是空』。

しかし、この実体をもたないはずの、チリ屑をいっぱい集めて組み合わせてみると、実体のあるものに変わることを知ったのです。『空即是色』。

東洋文明を築いてきた人達は、昔から、『神』との対話の仕方を知っていました。

まずは、瞑想等の方法を使って、”自我”(顕在意識)から、”無我”(潜在意識)の状態まで、自分の心の中に、深く深く入っていきます。

”無我”の境地に達すると、”真我”(自分の中にある本当の自分;”高次元にいた頃の記憶(意識))に気付くことができます。

”真我”に気付くと、”ハイヤーセルフ”(高次元にいる自分の魂(意識))と対話が可能になることを知ったのです。

なぜならば、私達は、元々、『神』の体の一部から生まれ、それぞれの個体となって、この地球にやってきました。

その『神』の一部である魂(意識)が、”ハイヤーセルフ”なのです。

そのため、”真我”の境地に達すると、”ハイヤーセルフ”と繋がりやすくなります。

すなわち、『神』と会話していることになるのです。

”真我”の境地に達することが、『神』と会話することであると知った、東洋文明を築いてきた人達は、『空(くう)』を追求するために、精神性の向上を目指したのです。


”西欧文明は、拡大していくことで、『無限大』を目指し、『神』との会話を目指しました。”

一方、”東洋文明は、限りなく縮小していくことで、『無限大』を目指し、『神』との会話を目指しました。”

この、全く逆のアプローチを取った点は、大変面白い限りです。

まさに、出発点が全く異なっていたことが、西欧文明と東洋文明の違いとなって現れた重要なポイントだったのです。

6.信仰する『神』の数にも、『One』と『空』の概念が現れていた

西欧文明を築いてきた人達が信仰する『神』の代表的なものとしては、
『キリスト教』における唯一神『イエス・キリスト』、『イスラム教』における唯一神『アラー』等が挙げられます。

すなわち、西欧文明を築いてきた人達が信仰する『神』は、『唯一神』=『一人』=『One』なのです。

一方、東洋文明を築いてきた人達が信仰する『神』の代表的なものとしては、
古代日本の神観念を表す言葉として『八百万神(やおろずのかみ)』が存在します。

生きとし生けるもの、生のないものにさえ、全ての物に神が宿るという考え方です。

すなわち、東洋文明を築いてきた人達が信仰する『神』は、『ハ百万神』=『無限大』=『空』なのです。

こんなところにも、違いが現れるんですねえ。

不思議と一致するものです。(笑)。


まさに、西欧文明は、『One』の概念で成り立ち、

東洋文明は、『空(くう)』の概念で成り立っていることを示す一例ですね。

実におもしろい。(笑)。


2022年という現在は、まさに、『土の時代』の科学重視の時代から、『風の時代』の精神性重視の時代へと切り替わる過渡期 真っ最中です。

今まで、おざなりにされてきた、精神性をさらに向上させていく必要があるようです。


今日も、空(くう)のnoteをご覧いただきまして、ありがとうございます。
また、スキやフォローをいただきまして、ありがとうございます。
では、また次のnoteでお会いしましょう。
空(くう)でした。



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