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妄想と、起こり得る現実の狭間で


伏見デルタを卒業し、夫の待つ家に戻ってすぐ
免許センターへ行って新しい免許証を交付してもらった。
そしてその足でバイク屋さんへ行き、予約してもらっていた
バイクのナンバー登録などをお願いした。

数日後には全て終わったので、夫が自分のバイクの用事で
お店へ行き、彼のバイクは住所が変わった為にナンバー変更の
手続きがあるのでお店に預け、私のバイクに乗って帰ってきてくれた。
Twitterの夫のバイク仲間の人が納車を見にきてくれたから、
3人でお昼ご飯を食べに行ったりして、結局その日はそれで終了。

数日して夫に「乗らないの?」と言われたが、まずはバイクを
動かすことから不安なので「1人では出来ないから、教えて欲しい」
と伝えて、夫の休みの日に練習に付き合ってもらった。
取り回しの練習をしばらくさせてもらったあと、エンジンをかけ
マンションの駐車場でちょっとだけ乗ろうとしただけで、
私はさっそくコケてしまった・・・
ぁぁぁ、、、新品のバイクなのに(´・_・`)

教習所ではバイクの乗りこなし方を教えてくれるけど、
エンジンをかける前に手で押して歩いたり、バックさせたりという
取り回しの練習まではさせてもらえない。
それどころか、バイクが倒れた時の起こし方の練習もしなかったのだ。
ぃゃ、しなかったというより、出来なかったのだけどね。
(だけどそもそも、バイクを倒すなんてことは、
 普通に乗るぶんには滅多に無いことなのだろうな…)

教習中に転倒すると、近くに居る先生がササっと来て
バイクを起こすのを手伝ってくれる。
手伝ってくれるというより、ほとんどの部分は先生の腕で
起こしてもらっていたのだろうな。
教習所のバイクの重さは200kg以上あるので、
コツを掴まないと起こせないし、女性はパワーも弱いので
尚更むずかしい(´-`)
モタモタしていると教習の時間が終わってしまうから
先生がサッと起こしてスグに練習の続きに戻らないといけない。
教習所では、そうなってしまうのは仕方がないこと。

ところで、卒業して公道に出てコケたら一体どうすれば良いの?
私は、それが気になってしまってとても不安になった。
夫と一緒に出かけているなら、夫が手伝ってくれるだろう。
だがそれをあてにしていたら、1人では出掛けられない・・・
一般的には、皆さんそこまで気にしないらしい。
私の場合は、ネガティブ思考という訳ではないのだけど・・・
色々なことを想定し、それらの対応がちゃんと出来るという
準備が必要なのだ(´・_・`)

「バイクの起こし方の練習をさせてほしい」と、私は夫に頼んだ。
マンションの駐輪場に段ボールを敷いて、バイクを倒してもらい
練習に臨んだ。
クリスマスイブだというのに、極寒の空の下、変な練習に
2時間も付き合ってくれた夫には、本当に感謝しかない。
でもその甲斐もなく、私はバイクを起こすことが出来なかった(´-`)

「あなたの腕では起こせないからコケないように」と夫は言った。
そんなバナナ・・・
教習所であれほどコケまくった私が、コケずにいられるのだろうか?
いや、ムリでしょ、絶対にコケると思う。
っていうか、すでにマンションの駐車場でコケちゃったし・・・
きっとまたコケるだろうというのは、簡単に想像がつくではないか(´-`)

「近所を走って練習しろ」
「1人では乗れない」
「なぜ?」
「コケたら起こせないから」
「コケないでしょ」
「きっとコケると思う」
「コケないようにすればいい」
「気をつけてたってコケる時はコケるやん」
「起こってもいないことを、なぜ心配するのか?」
「扱える自信がないし、私はきっとやらかすと思う」
「そんなこと言ってたら車さえ乗れない」
「確率が全然違うよ」
・・・そんなやりとりを夫と繰り返し、何度も口論になった。
夫の意図や言っていることと、私の考えることは
どこか大きなズレがあるのだろうと思う。
「もうバイク乗らないでいいよ」と夫に言われ、
あのバイクは結局、売ってしまうことになった(´・_・`)
せっかく買ってもらったのに、本当に申し訳ない・・・


バイク屋さんとも、何度も話した。
起こし方のコツを教えてくださいとお願いして、
お店でも段ボールを敷いて実際にやらせてもらったけれど
やっぱり出来なかった。

バイクに跨ると、自分ではうまく扱いきれないという不安や怖さが
まず先に立ってしまい、乗りたいという気持ちがどこかへ隠れてしまった。
足が爪先立ちの状態なので、バランスを崩した時とっさに支え切れるのか
どうかがとても心配で(それですでにコケてるし…)。
厚底のバイク用ブーツも買ったし、「車高を下げることは出来ますよ」
(15万円かかるけど)とバイク屋さんも言ってくれたので、
なんとかなるかな?と考えたりもした。

バイクに乗るのは楽しいということは、教習所で習った。
でもそれは私の場合、歩行者も自転車も他の車も居ない
安全な場所だからこそなのだろう・・・
歩行者が道を渡ることもない、自転車が飛び出してくることもない、
対向車が無理に右折してくることもない、幅寄せしたり後ろから
煽ってくる車もない、おまわりさんに捕まることもない…
日常的に車を運転しているから、公道ではそれらが日常的に起こり得る
ということが判るので、私はその時あのバイクでコケたりぶつかったり
せずに対応出来るのかどうか自信が持てない。
私のこういう思考回路がダメなんだなあ・・・

お店であらためて何度も自分のバイクに跨ってみたものの、
やはり重さにビクビクして不安とプレッシャーを感じるので、
それを伝えたらバイク屋さんいわく、
「楽しい気持ちで乗ることが出来ないのなら良くないですね」
「そうですね。どうしてもこのバイクに乗りたいという気持ちが
 あるのかというとそういう訳でもないのに、車高を下げたり
 するのは、なんだかバイクが可哀想な気がしてきました(´・_・`)」
「うんうん」
「小型のバイクならもう少し扱いやすいですか?」
「もちろんですよ」
「小型から修行しなおしたいなあ」
「それが良いですね」


ところが、「小型に乗る」と夫に言うと、
「小型でも変わらないから、考えが甘い」と言われ。
結局私のバイクライフは、もしかしたら封印になるのかな。

さて、どうなることやら・・・
そんなこんなで、私のバイク免許取得のお話しは
とりあえず、ここでいったん終了です。


(終)


有料になっている写真は、自分でも特に気に入っているものを選んでおりますので、もしも気が向かれましたら覗いてみて下さい(^^)