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「ヘマの多い詩人のパレット」


「ヘマの多い詩人」


いつもマグカップを倒してしまう詩人
コピー用紙に書いていたメモの文字
読めない部分ができて
落ち込むのが決まり

美しいとは何か
歓びとは何か
考え込むのは常

疑問ばかりの詩人と言われて
疑問が多い詩人と言われて
ひるむ必要はない

完成も
未完成も
そこにはなく

言葉を呼吸

そうしないと
ヘマの多い詩人ではいられなくなる


「あるハーバータウンの ある歩道で」


空は高く
緑はまぶしく
たて長の「のぼり」は
バタバタ揺れて
お店の文字は読めない

あるハーバータウンの
ある歩道で

良いことが起きると
奇跡と呼ばれる
悪いことが起きると
奇跡と呼ばれない

ほどよいセンチメンタルシンキングで手を振って歩く
その詩人は代書屋気取り 取引はしていない

あっちの心の木から
こっちの心の木から
熟した言葉の実を収穫している

雨の日も風の日も
ここにstayする ここにstandbyする

水彩画に寄り添って
油絵に寄り添って
フォトグラフに寄り添って

心理学に寄り道して
哲学に寄り道して
文学に寄り道して

オーダーを組み立てる
ジャストフィットではなくても
あいまいの利点で溶け込んでゆく


空は高く
緑はまぶしく
たて長の「のぼり」は
バタバタ揺れて
お店の文字は読めない

あるハーバータウンの
ある歩道で

その詩人は代書屋気取り


「小さい季節の見つけ方」


彼の近くで
抒情の妖精がひらひらと舞う

シャツの襟が変だよと教えてくれる
それは「もうすぐだよ」の合図

インスピレーション畑で
ポエトリーが収穫されるころ

素材のまま
出荷したほうがいいのか
加工したほうがいいのか
彼は忙しくなる

新設した記憶のギャラリー
ガタがきているハートブレイク修理工場


こぶたをねらうオオカミが
ドアをノックする前に

物語に税がかかる前に
こっちからしかけるんだ


モンスターが巨大化する前に
しかけるんだ

彼は少しだけ
小さい季節の見つけ方を覚えた


「自分を救う」


世界平和を実現しようとするということは
存在の価値を壊そうとする自分を救うことである

はじめから

遠回りすることを考えないで

まっすぐに結果を求めよう



「競争で言葉を探しているわけではない」


目に見えるものを作ることだけが創造ではない
手で触れるものを作ることだけが創造ではない

美しいとは何か?
それを思うことも創造だ

釈然としない世界に
悔しくて泣くことも創造だ

競争で言葉を探しているわけではない
ごまかしのない痛感に到達したいのだ


「考えるという運動の法則」


考えるという運動の法則
考えることは内向的なだけではない
違和感の答えを求めて外に向かっている

考えることに価値を持たないのは
理解を捨てていることと同じ
そこにステップアップは生まれない

「ポジティブになれ!」の意味は
「考えるな!」と思考を制限することではないはず
考えた結果は不利益ではない

内なる声を大事にして
未来につながるメッセージをつかみたい
内なる声を吟味して
実感のある姿形を残したい

考えるというアート
考えるというチャレンジ
考えるという冒険


「生まれるという契約」


その時代に生まれるという契約は
その国に生まれるという契約は
自分の意志では結ばない

生まれてくる姿は
生まれてくるままに


「セルフレス」


セルフレス
ありのままでなくていい
ありのままでさえなくていい

セルフレス
目を閉じて空を消して

セルフレス
耳を閉じて風を消して

心の世界はセルフレスでできている

セルフレス
無防備な自分を見つけてください






#詩人のパレットQ3


オリジナル詩と音楽AI生成、イラストAI生成で遊んでいます。 YouTubeチャンネル「ポエトリーパーク910 」 https://www.youtube.com/@QioPoetryPark