「ぽとりぽとり君の感情はろ過されてゆく」

 

ぽとりぽとり
君がふりしぼった感情は  
ろ過されてゆく
しっかりと手応えがあったのに

するりするり
君が描いた印象も 
ろ過されてゆく
とても明暗があって味深いのに

 

歴史は繰り返し
経験者は言う
人生は苦しみの連続であると
受け入れよと

至らぬ者は言う
未来に至らぬ者
真実に至らぬ者
いろいろと至らぬ者

希望はあると

何かが常識となったときから
それはもう形あるものとなり
月日をかけてでも風化してゆく

いつか見た建造物のように
人々からの眺められ方が変わってゆく
月日をかけてでも風化してゆく

雨は降る
星は降らない
時間は戻らない
ヘタクソは踊らない
背伸びは続かない

裏のテーマを上手にだまして
歴史をいい気分にさせれば
きっと成功者顔
失敗はなかったように
偉人のように

 

知りすぎるということは粗探し
歴史は夜に作られる

食器棚のコーヒーカップとソーサーの数は合っているかい
揃っていないかい

 

君がふりしぼった感情はろ過されてゆく
路地裏にあった遊び場所のように
町並みが変わる前にあった実家のように

ぽとりぽとり
ぽとりぽとり

しっかりと手応えがあったのに

 

君が描いた印象もろ過されてゆく
水彩画の水車小屋のように
油絵のバスの停留場のように

するりするり
するりするり

とても明暗があって味深いのに

この地上で
この地上で

 

美しくなるために

 

 

#行進曲が連れてゆく場所