「彼女は手を差し伸べてあげられる人ですか」

現実の世界が脈打つ音をさせて

努力に左右されない世界をめざそうとしている

根拠を必要としている世界が悲鳴をあげて

努力しなくても衣食住を確保できる世界を作ろうとしている

壊れたところを糊付けするように

穴埋めをするように

希望を探して

あちこち指をさして

今のこの世界が怯えながら

努力次第で幸福感が決定するという世界を

嫌っている

弱くなると同情されたくなる

共感ではなく同情

強気でいられるときは

従わせたくなる

手を差し伸べているのではなく

心のどこかで従わせたくなっている

やさしさえも自己満足にすり替わって

見下ろすことで「運の配当」を倍増せようとしている

彼女は強さを失くして

誰が助けてあげなければいけない存在になった

彼女は弱くなって

誰かに助けてもらわなければ生きられない存在になった

あなたにとって　彼女はどんな人

あなたにとって　彼女はどんな存在

恨みなどなかったように

手を差し伸べてあげられる人ですか

現実の世界の脈打つ音が聞こえる

根拠を必要としている世界の悲鳴をあげているのが聞こえる

子孫がほしいという感覚は何なんだろうか

愛情を注ぐ対象がほしいということなのだろうか

「かわいい」という存在を近くに置いておきたい

というだけの心理なのだろうか

子供のころに

うっすらと感づいていた世界

右の頬を打たれたとき

左の頬を出せば

わかり合えるのだろうか

#ヘビーレインライトシャイン