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「情状酌量のため息のパレット」

  

 

 「望んでいることを 望んでいると言えないのは」

不安定なやさしさは
人を穏やかにしない
強いやさしさであってこそ
ほっとさせられる

自由にどろんこになっていい時
石鹸の匂いに包まれる時

窓を開けて欲しい時
窓を閉めて欲しい時

日向のぬくもり
日陰の涼しさ

大きな声
小さな声

不安定なやさしさは
人を穏やかにしない
強いやさしさであってこそ
ほっとさせられる
 
望んでいることを
望んでいると言えないのは

相手のやさしさが足りないのではなく
自分自身のやさしさが足りないから
 
 
 
 

 

「味はなくなったわけではない」
 

 
心地よいものが
心地よくなくなる

風景も教訓も
口にする何かも

心が取り替えられてしまったのか
と思うくらいに
退屈な感じになる

急に記憶が消えてしまうのと同じなのだろうか

とても気に入っていた記憶が
価値のない記憶になってしまったかのように
なることもある


でもなぜか
不思議なことに戻ってきてくれる
必要なときに
乾いているときに
味はなくなったわけではない


ロンTが後ろ前
タグが首元でザワザワ

ソックスはくるぶし丈
靴の中で脱げそうだ

本質を貫きたいだけなのに
飾りごとに揺さぶられる


誤解が解けないのはつらくて
生きた心地がしなくて
見えていないところで
とてもしんどくて
寒い夜に毛布一枚
その意味の捉え方を指定したくなる
春になるころ
皮を脱げる生き物みたいになりたくなる


ひょんなタイミングで見つけたキャンパスノートはいつも
 
テレビに映っている誰かが差し出すキャンパスノートもいつも

表紙は薄汚れて数冊
大事なことが書かれている

ドキュメントな誇らしさが愛おしい


必要なときに
乾いているときに
その何かは
戻ってきてくれる

味はなくなったわけではない
 
 

「平行線の限界」


夢を描くのも
反省するのも
何とかpayで

泣くのも
抗議するのも
何とかpayで

デジタル表示が消えていく
どこかに続く階段が増えてる
空は見えない
約束は変えられない

本物に近い作り物
幸せに近い幸せ

記憶のかけらが溶けていく
やわらかそうなカーテンが揺らされる
月は満ちない
法則は超えられない

本物に近い作り物
真っ白に近い真っ白
風に舞う永遠の地図を
右手につかんだら

目に見えない景色と
目に見える景色が
入れ替わる

審判が始まる
現実が始まる

友だちでいてくれた君の運転で
バイトでお世話になってレストランに
サイドの景色は見納め

確かあのとき
まだ何も見えていないメロディラインを聞いてもらった
何もあてがない思春期の幕が降りて
まるで逃亡計画を打ち明けるようだった

始まっていたようで
始まっていなかった
人生
 
始まりそうな
トラベリングアローンの予約

平行線の限界で


「じゃがいもの皮と情状酌量のため息」


つまらないことには
どんどん別れを告げて

きょうを生きるために

目の前の出会いに
たんたんと向き合う

名誉のための言い訳
記憶を変えるオセロ
見返り欲しさのトーン

ゴミは指定された場所に捨てるルールがある
正しさは吠えないほうがいいという法則がある

たとえば
じゃがいもの皮と情状酌量のため息

ピーラーで
じゃがいもの皮をむいたら
変色していたことに気づく

手が止まって
数秒立つと
ため息がこぼれていく

ゴミ箱をのぞき込んでから
じゃがいもを投げた
ほとんど丸ごと
ぼそっと

2枚ほどのキッチンペーパーで
そこらへんの汚れをふいて
丸めずに捨てる
ふわっと

ゴミ箱の中のじゃがいもを
隠すかのように
キッチンペーパーが横たわるように

再び
ピーラーを握る前に
別のじゃがいもを手にして
見つめて

ほっとする

情状酌量のため息

そんな感じかな
ギリギリかな

 


ゴミは指定された場所に捨てるルールがある
 
正しさは吠えないほうがいいという法則がある

うん





#詩人のパレットQ2



オリジナル詩と音楽AI生成、イラストAI生成で遊んでいます。 YouTubeチャンネル「ポエトリーパーク910 」 https://www.youtube.com/@QioPoetryPark