「忍び足でも前進するパレット」

「その勢いを少しでも悪くするために」

小賢しい憂いが産み落とされる

愚かしい詩人が目をさます

無駄な抵抗をしつづける気力を集める

濁った何かが起きる その勢いを少しでも悪くするために

「すれ違いの断片」

人が二人いれば

まったく別の二つの人格が

まったく別の二つの人格として存在する

何かを感じ始めるタイミング

何かを感じ始めるスピード

それぞれ　違う

同じことが

同じように

同時に

伝わることは

あるのだろうか

「審判が遅い この地上で」

憂いたくなることを

恐れるな

黙っていることを

怖がるな

審判が遅い

この地上で

好奇心は好奇心

それ以上のものではない

邪心は邪心

それ以下のものではない

真理を求めて

命を奏でよ

「召命した理由として許されるなら」

ほんとうは

ないはずのあらゆるボーダーライン

作りすぎて

みんな心が乾いている

生きている間に

1つでも多くささげたいのは

自分で

アートと呼べる言葉

それを

召命した理由として許されるなら

「経験ではできないこと」

人の気持ちには

経験に頼って

寄り添わない方がいい

人の気持ちに
寄り添うことは
経験ではできないこと

そして
寄り添わない方がいい　

そんなときの方が多い

人の気持ちには

いつも

はじめて

知るように

近づいた方がいい

#詩人のパレットQ3