「瞳を潤わせる彼女に」

瞳を潤わせる彼女に
悲しみを歌わせてあげてください

雨に打たれている
帰り道を急いでいる

生きる意味を探すのは
生きる世界に
どうにか魅力を感じたいから

個人に本質が枯渇して
ジェラシーを超える「幸福度の減少感」

ソサエティに本質が枯渇して
国境を越える「略奪と暴力」


誰が味方だとか
誰が敵だとか
自分は孤独だとか
自分はトップだとか

邪悪はパワーで壁を破る

真理は人の心に作られた壁に拒まれる

雨に打たれている
雨具がなくて
帰り道を急いでいる
帰る場所が遠くて

かつて
受け入れられなかった言葉は
生まれてきてくれて
ありがとう

何か重く
のしかかるばかりで
ザラッっとする感触の
空気を吸い込むような

簡単には
希望を感じることはできない世界

罪もないのに不幸になる人がいる

理不尽にも暮らしを奪われる人がいる

言葉が出なくなるのは
生命の停止に等しく


瞳を潤わせる彼女に
悲しみを歌わせてあげてください

雨に打たれている
帰り道を急いでいる

#どこかで会った誰かのようなstories4