見出し画像

「おねしょをしたあの子とストレッチャーで運ばれる父親」


深い思想のジャングルで迷子になったグループA
浅い思想のジャングルで上から目線が空振りしたグループB
チープな共感に藁をもすがる

彼らは猛獣に追われている
それは出会ったことにない価値観
共感のレートはどんどん下がってゆく

テロップが間に合わないニュース
真実のスピードは
デマのスピードに負けている
3秒もしないうちにスタンダードは変わる

放り出されたような君は
架空が生み出す「しきたり」に洗礼を受ける

君の時間で君の陽は沈むのに
君の哲学で君の陽は昇るのに
君の気まぐれで君の陽は沈むのに
君の祝福で君の陽は昇るのに

ありのままに呪われるな
アウェイを無理して作るな


いつかの隣人はやさしかった
おねしょをしたあの子に着替えと毛布
泣いていたあの子に着替えと毛布

着替えと毛布


深い思想のジャングルで迷子になったグループA
浅い思想のジャングルで上から目線が空振りしたグループB
チープな共感に藁をもすがる


共感のレートはどんどん下がってゆく


着替えと毛布

着替えと毛布


ストレッチャーで運ばれる父親
「すまんかった」と最後にあやまった

うなずいてみせるの精一杯だった君は言う
「this is not my story」


一度目の知らせが届いて
親族に教えてもらった住所をたよりに
遠くかけつけたら
ほとんどの荷物は置いたまま夜逃げしていた
小さなアパート

坂の上から降りる風が吹いていた
あの町の風に似ていた

2年が過ぎた

今夜が山だと危篤を告げる連絡が入る
二度目の知らせ


まったく別の場所から
三度目の知らせが届く

今度は民生委員だという人からだった

中間地点で会う約束
父親を迎えに行くことになった君は言う
「this is not my story」

地域のサポートで紹介してもらった施設で2年


過ごした

ストレッチャーで運ばれる父親
「すまんかった」と最後にあやまった

おねしょをしたあの子に着替えと毛布
いつかの隣人はやさしかった

君は着替えと毛布を手にして

祈りの向こう側を見届けた

チープな共感に藁をもすがる
共感のレートはどんどん下がってゆく

真実のスピードは
デマのスピードに負けている
3秒もしないうちにスタンダードは変わる

穏やかさが広がればいいのに




#ハッピーエンド探し


オリジナル詩と音楽AI生成、イラストAI生成で遊んでいます。 YouTubeチャンネル「ポエトリーパーク910 」 https://www.youtube.com/@QioPoetryPark