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「未熟な反射のパレット」



「車のバックシートで眠っていたころ」


同じケーキばかりを選ぶので

ケーキ屋さんのお姉さんに

覚えられてしまった

これでしょ

そう言われるのがはずかしくて

足を運ばなくなった



神社より

向こう側の風景

建物が増えて

陽当りや風向きが変わってゆくのを

知らないまま

大人になってゆく



そして

自分は他人とは違うと知ってゆく

記憶の中の

君が選んで発する声は

まるで立ちくらみしているみたい


順番が

回ってくるのが早すぎたんだろう



車のバックシートで眠っていたころは

行く先の行き方なんて

気にしなかった

レストランで

メニューを広げて

食べたいわけではないものに

指をさした



ペットボトルのドリンクは

落としても泣くことはない

ビンのドリンクは

落とすと悲しくなった

ひとりぼっちになったように怖くて


順番が

回ってくるのが早すぎたんだろう


そして

自分は他人とは違うと

君は知ってゆく



「1枚のカード」


運命が変わるほどの

きっかけでなくてもいい

ふとしたことでいい


新しい気分があれば

差し出されるままに

カードを受け取れる



5枚のうちの1枚でも

10枚のうちの1枚でも

1枚しかない1枚でも

受け取れる


縄がほどけたように

自由になって


カードを手のひらに乗せられる


そんな小さなきっかけでいい

小さなきっかけの繰り返しで

自分自身の人生に

挑めばいい



「未熟な質問者」


生きるって、芸術

生きるって、営み

何かをすることが価値ある人生

何もしなければ無意味な人生



生きるって、迷宮

生きるって、単純

何かをすることが価値ある人生

何もしなければ無意味な人生



若いうちは、ビジョンが宝

老いたら、理由付けが命


現実と幻

原作とレプリカ



君は何を手にして

心を躍らせていたの?

君は何を手にして

涙を浮かばせていたの?



君の音楽は劇的だったかい

君の演劇は平安だったかい


「呼吸のように言葉」


呼吸のように
言葉を吸って
言葉を吐く

呼吸のように

吸う言葉と

吐く言葉がある

吸うばかりでも駄目

吐くばかりでも駄目

吸って

言葉が身につくようでも

やがて 

言葉は離れてゆく

吐いて

言葉が消えてゆくようでも

やがて

新鮮な言葉になる

評価を必要とする成長の

ためだけではなく

心が

永遠に

みずみずしく 

あるために

呼吸のように
言葉を吸って
言葉を吐く


「わかってもらいたい という気持ちで」


わかってもらいたい

という気持ちで

誰かに近づくと

その誰かに

負担をかけることになる

そればかりか

不幸にさせてしまうことがある

わかってもらいたい

という気持ちが

心の傷を原因として

存在するなら

背負ってもらうのも

覚悟が必要だ

短い時間で

解決することがないから

長い時間を

費やすことになるから

甘え上手なんて

本当はいないんだ

一つの傷を癒やすのは

奇跡なのだ

だから

その尊さを忘れてはいけない



#詩人のパレットQ3


オリジナル詩と音楽AI生成、イラストAI生成で遊んでいます。 YouTubeチャンネル「ポエトリーパーク910 」 https://www.youtube.com/@QioPoetryPark