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「つかめない野生の声」


野生のふりをして
土の上を走り出した君は
大人になるライセンスを
右にならえで探し求めた


幻想に迷い込んだように
足取りが見えなくなるころ
君とよく似ている誰かが
泣いている姿を目の前にする


そこは森の中
太陽の光と月の光の
区別がつかない森の中
深い深い森の中


地図を間違えて
たどりついた場所


つかめない野生の声を聴く
雨が降った分だけ
くつが汚れた分だけ

整然とした言葉ではなく
予想にない言葉に
粉々に打ち砕かれたい

さわれない野生の声を聴く
道を選んだ分だけ
物を覚えた分だけ

気に入られようとする姿は醜い
とても下品だ
嫌われるようとする姿と
同じくらいに


君とよく似ている誰かが
泣いている姿を目の前にする
君とよく似ている誰かが
傷ついている姿を目の前にする



#BUNGAKUの箱1

オリジナル詩と音楽AI生成、イラストAI生成で遊んでいます。 YouTubeチャンネル「ポエトリーパーク910 」 https://www.youtube.com/@QioPoetryPark