「ずっと昔に抱いた覚悟のパレット」

「１日中 問いかけていたい」

１日中

問いかけていたい

そこから

身勝手な感情が

なくなるまで

「短いシーンに 人生のすべてを見たとでも言いたいのか」

春が夏になる

風が変わる

嘘に泣かされたやさしさたち

短いシーンに

人生のすべてを見たとでも

言いたいのか

何度も自分に

そう問いかけてきた

時が途切れない

花が変わる

夢にせかされた好奇心たち

見本を真似して羽根を広げる

計算通りの邪魔がはだかる

きっと

止まっていることでは永遠を得られない

未来があるということが

君にとって

悲しみではなく幸せであって欲しい

「ぼくの純粋は まだ大丈夫」

ぼくの純粋は

まだ大丈夫

そこから見たら

すっかり

汚れているのだろうけど

ねじ曲がっているのだろうけど

ぼくの純粋は

まだ大丈夫？

透き通っている？

未来の価値を知りたいと思う愁いを
コントロールできないほどに

「勝利の理由として」

敗北を笑うための

勝利でもない

敗北を嘆くための

勝利でもない

敗北が怖いから

勝利を望むのではない

未知の壁を超えるための勝利で

あって欲しい

「言葉の主人」

メッセージみたいなものが

浮かぶとき

自分が

そうできているから

浮かんでくるわけではない

その美しい姿や形を

切り取る指示が

言葉を司る主人から

言葉に囚われる人間の資質に

届くんだろうと思う

「雑音は雑音」

雑音は雑音

メインではない

雑音は

聴かないほうがいい

なりたい自分に

なりたいなんて思わない

予定されている自分に
到達したい

やさしい自分ではないかもしれない
強い自分ではないかもしれない

悲しいことから解放された自分ではないかもしれない
人が言う幸福なんて願わない

答えがわかった上でめざすわけではなく

答えに気づかないまま答えにたどりついている

そうであったとしても

予定されている自分に到達したい

たどりつくべき場所に

たどりつくべき答えに

たどりつくべきフレーズに

たどりつきたい

雑音は雑音

メインではない

雑音は

聴かないほうがいい

「今の自分と　今以外の自分を」

言葉に力を

もらいましょう

音楽に力を

もらいましょう

パフォーマンスに力を

もらいましょう

思考のオアシスで

思考は安らいで

また

泳ぎ始めます

自分自身を

生き切るのに大事なことは

今の自分と

今以外の自分を

すりかえないこと

必要な数だけ

こわばりを解いて

到達できたシンパシーを

抱きしめましょう

「悲しい話って」

悲しい話って

フィクションなら

自分の類似に出会った安心で

なぐさめられる効果も

あるけど

ものすごく

小さい真実でも

ドキュメントとして

切り取っておく

という視点もある

記憶から

消してはいけないと言うか

自分への戒めということでは……

でも消えてゆく

どこからか

薄くなってゆく

一度に全部が消えるわけではない

きっと

逆らっても無理なんだろう

記録したとしても

ほんとうの気持ちはわからなくなるときが来る

「写真の構図」

写真は

構図の取り方が

ポイントの１つと聞いた

四隅を

どう取るかで

決まる

それは

生きてゆく上で

あらゆる場面で

あらゆるケースで

言えることだと思った

「自分の言葉が文字になると」

自分の言葉が

文字になって

きれいな

ビジュアルを

見せてくれると

心の中から

懐疑が

消えてゆく

豊かな闇

欠けた光

変わらない景色

スピリットは探していた

いつの時代もサティスファクション

世界を相手に幻の中

誰も手にしたことのないサティスファクション

人であることの悲鳴を知るたびに

人であることの怒りを知るたびに

残された時間は短くなってゆく

見ることができるなら

触れることができるなら

言葉にすることができるなら

愛することができるなら

誰も手にしたことのないサティスファクション

追いかけていたい

自分の言葉が

文字になって

きれいな

ビジュアルを

見せてくれると

心の中から

懐疑が

消えてゆく

#詩人のパレットQ1