2.うだる夏に
宇宙・日本・世田谷/フィッシュマンズ(1997年作品)
今日もとても暑いですね。
近頃の夏は、クーラーなしでは生きていけないが、
私が大学生だった頃は、暑い夏もクーラーを使わずに生活していた。
独り暮らし初めての夏は、それまでと違ってひとりでくーたらしていた。
ベッドの上、仰向けになって、ただ天井を眺めながら、この作品があれば、浮いているような心地になれたのだ。
この1枚前のアルバムが「空中キャンプ」という世で言われる名盤なのだが、
この「宇宙・日本・世田谷」という作品についても、暑い夏が涼しくなるくらいの浮遊感がある。
部屋の風景、思い出とともに、多感な10代だったからこそのはまり方をした1枚なのだ。
程よく力の抜けた柔らかいヴォーカルに、ハンモックの揺れを思わせるような決してタイトさを感じさせないリズム、他の音楽から一線を画すものだった。
近年は暑い夏ばかりだけど、クーラーを弱めにして、ベッドの上でぽかーんとしながら聴きたい。
涼を求めて。
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