母娘

息子に突き飛ばされた母
夫に背中を蹴られた母
それでも息子と夫の庇護を乞う母
庇護を乞いながら、私に2人の悪口を流し込む母
私の母は常に愛情に飢えていた
欲するばかりの人ではなかった
愛情深い人でもあった
自分が与えた分、自分が理想とする愛情を欲しがった
ただその愛情は夫からも息子からも軽んじられた
その捌け口はわたしへの支配へと形を変えた
そんな母から私は逃げ道を奪ったのか
だがそんな母も私から逃げ道を奪ったのか
私はまだ逃げられる
でも母もまだ逃げられる
ここから逃げ出すのだという固い意志と、それに伴う行動さえすれば、いつだってどこへだって逃げられる
そう思いたい