文脈を引き継ぎながら社会の文脈をリデザインする 大橋磨州氏

筆者が属している武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダシップコースにはクリエイティブリーダーシップ特論という授業があり、毎週、さまざまな方の活動や考え方を聞くことができる。感想(できれば考察)をアップしていきます。

2020年第8回は大橋磨州氏。
お話しされていた「文脈を引き継ぎながら社会の文脈をリデザインする」を中心に。
まずはメモ列挙。

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上野アメ横
魚草

かつての日本(江戸)文化
縁側文化
分担しながら

人の力・文化
未来的な価値

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東大大学院 文化人類学研究室

アメ横
玄関口
闇市
商売人商品知識
外国人屋台
立ち飲み屋
人情の街
歳末大売り出し

刺身とお酒で1000円セット
エイ刺し
マグロの頭

美味しい日本酒

アメ横に
「買い物」にいく
・行けば手に入る
・行けば一番安い

「働いてる実感」
「人間らしい仕事だ」
肯定的な評価


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・高校→大学 演劇に打ち込んだ青春
生業にすることの挫折

・暗黒舞踏、民俗学研究
土方巽
ダンスのルーツは東北の祭
過疎地に訪れる15万人の観客
秋田西馬音内盆踊り

・無名性
 顔隠して踊る
 そこに観客が集まる
 無名性
 これはなんだ
 感動

・研究者の道の挫折
 フィールドでて調査 よかった
 文献調査 もうだめだ


上野のアパートに住んだ
年末のアメ横忙しそうだし
雇ってくれるんじゃないか
「明日からきて」

3代目みたいな
10年働いているみたいな
そういう自分を作ってやってみた

祝祭性
秋田で見たような光景
何かの祭りに参加しているような感覚

祭り
・急に最前列に立ったり
・神輿に乗れたりしない

アメ横
・最前列で立ってこい
・ふりして演じる
・「持ってけ持ってけ」
・その場に立てる
・仕組み

・ホームレス状態
・魚のこと知らない
・食べたことがない
・「おいしいから、安いから持ってけ!」
・居場所がある

・この街が知りたい
・ここで働きたい
・ここに居場所がある

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働いてどうだったか

全て「はったり」

両サイドの方々、アル中
ペットに焼酎入ってる
生きるか死ぬかギリギリのところでやってる
日曜になったら競馬

・江戸の鬼門 東京の辺境
寛永寺の麓で開く
江戸城から見て北東
ここから先は江戸ではない
上野公園にはホームレスの方々
近くに吉原
マージナルな場所

・魚がさばけない魚屋
実際はほとんどさばけない
築地のごみ箱
築地で売れ残った魚を叩いて持ってく
キロ200円みたいなとんでもない値段
築地「上野が買ってくれるからいいや」
一匹一匹をさばいたりしない
山盛りにして「これ一皿で千円!」
下手な知識は邪魔になる
料理法がどうとかそもそも知識必要ない
働いてる人たちも

・行き場のない、居場所にない人
上野に流れ着いた
急にいなくなる
今一瞬ここにいい場所を得てて、ずっといるわけではない
ただ時間を一緒に過ごす仲間
べたべたした関係性、おつきあいがない

・店から店へ
素行が悪くてクビになる
斜向かいでそのまま働いてたり
アメ横の中では居場所がある
マジックで値札をかく
「5000円のマグロが、今だけ1000円!」
冷凍してるから脂だかなんだかわかんない
トリック
それだけを武器にしてやる
最初は愚直にやる
不真面目だからクビになる
また他で働く

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頭の中
「なんて懐が深い街なんだ」
「大丈夫か。。」

夜明け事件
ガイアの夜明けに出る 9/23 第332回
当時の彼女(今の奥さん)に「出てたでしょ」
成功者の番組に出てるわけない
ニッポンの漁業を救え!

愛知県「漁に出れば出るほど赤字」
未利用魚 名前の知られてない魚
マイナーな魚を(ちゃんと)高く買い付けて
「こうさばいて、こうするとおいしい」
「これだけの価値がある」
「また採ってきてくれ買うから」
漁師潤う
会社売れる
消費者喜ぶ
価値創造

漁師が終わる
魚価が上がらない
このグラフのバックの映像に
自分が映っている
『こんな恥かいたことない。。』


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アメ横

研究
演劇
ドロップアウトした人間にとっては
懐深いとも言える

しかし、「先がない。。」
これはやばい

魚屋で独立しても難しい
買いに来る人も減っていた
飲食店やろう
調理できるようになって
三陸で漁師やってる人を訪ねて

アメ横の存在自体が水産にブレーキをかけてる
自分の仕事に「大義」が欲しい

今まで
潰れそうな会社「どうしても買ってくれ」
「じゃあこの金額なら買ってやる」

生産者の力にもなりたい

三陸の魚を売って
三陸の漁師達に喜んでもらいたい

大義を「でっち上げ」て

・牡蠣をその場で剥いて食べさす
・魚並べてる前で食べさす

「こういう風にすればこういう反応があるのか」
毎日形を変えて


今はやっと生産者と一緒に商品を作ったりして
やっている



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店頭を使って作品を作ってもらう
うちで表現することに必然性がある

草太郎氏


木枠の中に写真を入れて売る
BGMをつくる
上野にまつわる音 明治含めて
200時間まとめたMIX
ラジオ形式で紹介する


中澤大輔氏



なんでお店をやらなきゃいけないのか
何のためにお店はあるのか

コロナで2ヶ月店開けられなかった
ネット販売始めた
お家で魚草を楽しんでください

漁師からは仕入れることができた
店は売り上げあげられた
客は家で味わえた

何のためにお店はあるのか?
何のためにうちにきて食べるのか

街のため
街との関係性

15−6年前の強烈な体験
居場所を見つけて
居場所を受け入れたり
街の一部になりたい
そのためにお店をやっている

魚を売ったり酒を売ったり
実際は「居場所をつくる」

居場所
インフラ
分解
・5000円て書かれてる値札
・・・

「人に居場所をもたらすもの」

上っ面のビジネスの仕組みだけで居場所はつくれない
江戸の文化→闇市→いまの上野にある「背景」
一朝一夕につくれるものではない

政治や制度でつくれるものではない
失われると取り戻せない

街の文化を残す、守る ではない
文化遺産を残すとかじゃない

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文脈を引き継ぎながら
社会の文脈をリデザインする

昔のままでいいじゃないかではなく
人が織りなす価値
ものに頼るとAmazonでいい
内包している意味が伝わる

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混ぜっ返すようが。。

「雰囲気いい時くると楽しい最高」
「自分を出して接客」

「それは違うぞ」
飲食店は人間力、人間らしさとかすぐ言う

「人間性を商品化する」になっていかないか

いま
不倫すれば一発アウト
仕事と関係ないのに。

人間性はクズ。友達もいないだろう、どうしようも無い
とりあえず魚屋のふりをする
居場所を与えられる

一方、
バイトの女の子が仲良くなったり身の上話、飲みに行ったり
「消耗するぞ」

仕事があるために、自分の内面を切り売りしなくて済む
「どうか人間らしい働き方」なんて言わないでくれ

人間らしさを商品にするのは違うんだ
トリックに騙されるな

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西馬音内盆踊り
顔は出さない。内面は出さない
踊りで強烈に

自分を晒さなくても、魚屋のふりをするだけで
居場所が与えられる
それがインフラ

掘り起こし

アメ横らしさ
どうしようもないおっちゃん達の居場所になっている
簡単に作れるものではない

すたすた坊主
という役をやると
になると自動的にお金をもらえる
仕組み
デザイン

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横浜寿町
寄せ場
日雇い労働者
炊き出し

中学から私立で偏ってる人間関係
母親に話した

母親
「大学くらいに誰でも通る道だ。」
「知らないところを探して世界を知ろうとする」
「知ろうとすると、閉じていく。本がパタンと閉じる」
「知ろうとすれば、世界は狭くなる」

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