ひとつの手法

我々は常に戦いに晒されている。弱くとも、脆くとも、儚くとも、次々に死線が訪れる。それらをくぐり抜けて漸く生を得る。生死を論点に持ってくれば、この世は残酷極まりなく、誰もがランダムな死や幸福の存在を認めざるを得ない筈だ。無論正義の執行で守られる命もある。だがまさにそれを狙っていた悪に、もしも信念が無いとしたらそれは恐るるに足る存在だと言えるのか。信念なき悪に正義をゆるがせにすることができるのか。私はそれが不可能に思える。死線を潜り抜ければ再び死線。死ぬまでそれが続くのがこの世界だ。ならば如何様にして安寧を得る?残念至極ではあるが、安寧など幻影に過ぎない。だが諦めろとは言っていない。ただ、戦えと言っているだけだ。そう、戦うしかない。我々は戦い続けることしかできない。戦え。己の命を守る為に世界を蹂躙しろ。我々にできることは、それ以外にない。

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