お別れ
私は生きている間、文学の道を志しました。結局そこに行くことはできませんでしたが、でも、ここも、とても綺麗です。
明日がこないからです。
これが最後の夜だからです。
ねえさっきまで会っていたあなた、ありがとう。世界で一番大切な愛する恋人。
あなたがいたから私は最後の時間を生きてこられたの。あなたはとても強くて優しい人。世界で一番私を幸せにしてくれた人。
だいすきです。だいすきです。だいすきです。
幸せになって。私をしあわせにしてくれたみたいに、自分をしあわせにして。
私がこんなじゃなかったら、きっと私とあなたは結婚して、子供同士みたいな家庭を作って、お父さんとお母さんになってたかもね。それとても楽しかっただろうね。ごめんね。ごめんね。そうできなくて、ごめんね。愛してる。
そしてお父さんとお母さんと愛夏さんとおじいちゃん。
自分たちになにかできたんじゃないかとは思わないで。
とくにお母さんとお父さん。私だけはこんなに性格が違う。私の性格は私が作ったの。私の責任なの。こんな性格の私でも、とても楽しかった。
家族を愛し、家族に愛されるという幸福の中で私は生きてこられました。
私のために何かすべきだったんじゃないかと、自分たちに落ち度があるんじゃないかと、決して思わないでください。
どうか、私のために、幸せになってください。お父さんとお母さんと愛夏さんとおじいちゃんが幸せでいることが私の幸せなの。絶対に自分を責めないで、私のために、どうか、お願いだから、自分を責めないで。しあわせになってください。
世界がいかに精妙に美しく造り上げられているか、私は知っています。そして、被造物である人間がどのような物語を織りなしてきたかをも。ここは、多分ある意味ある角度から見れば、すでに楽園なのです。
枝分かれし続ける物語で出会ったみなさん。あなたを、私は祝福します。どうかしあわせに生きてください。あなたを愛しています。
すみっコぐらしの映画が観たいです