正真正銘のキャスター・インタビュアー

普段だったらマイナスな話題は避けて通る。恐らく私のことをフォローしてくださっている皆さんは目に入れたくないだろうし。それが私のモットー。

だけど、あまりにも目に余る部分が多すぎた。だから吐き出すだけ吐き出して終わります。


「人を殺したという感覚は…」

元日本兵に尋ねたこの質問

文字だけ見ると冷たく、責めるような言葉に思えるかもしれない。でも彼の声に乗せてその言葉を聞いた時、必ずしも彼がそのような意味合いで尋ねた質問ではないことは分かる。

少なくともキャスターの道にアイドルという全く違う地から足を踏み入れ、もがきながら向き合い続けてきた彼のことを見続けてきた私には分かる。


仮に質問だけでは理解できなかったとしても、その後に続いた元日本兵の男性の言葉を聞いて、納得するはず。いや、納得しなければならないのでは。

戦争は国同士の争いだとか、権限の奪い合いだとか、爆弾を落としたとか、飛行機が突っ込んだとか、どんな言葉で表そうとも、結局単なる人殺しでしかない。

「戦争は絶対にしちゃあかんのです」

男性がそう言葉を残したことに何より彼がした質問の存在意義がある。


「酷い」とか「失礼だ」とか、薄っぺらい言葉で簡単に批判できるような質問じゃない。

当時、戦争というものが人々に、人を殺す、という感覚をもたないままに多くの命を殺めさせた、いかに恐ろしいものであるのかを真っ直ぐ伝えるために必要な質問。

きっと事前の打ち合わせやシミュレーションはあったはず。あえてオブラートに包まず真っ直ぐ口にしたこの言葉に、批判が伴うことも、歪曲して伝わってしまうかもしれないことも、彼はわかっていたのだと思う。それでもきっとこの質問をすることにこだわった。それは、どうしても引き出したいことがあったからではないか。

もし「お辛いですよね」「戦争はしてはいけない」インタビュアーがそんな言葉だけをなげかけるインタビューならなんの意味もない。

あの瞬間、あの質問を発した彼は、報道の場に立つ彼は、スーツを着たアイドルではない。

正真正銘のキャスターでありインタビュアーだった。


アイドルである彼が、若い人達に、後世に、過去を伝える使命を持った彼が、ハレーションを見越した上での覚悟。



日本だけじゃなくて他国も人を殺したじゃないか、アメリカ兵にも同じ質問をしてみろ、だなんてそんな話をしてるんじゃない。

今、戦争の時代を直に経験した人がどんどんと減ってきている日本の中で、私たち日本人が汲み取らなければならない、真摯に受け止めなければならない質問とその返答なんです。


彼の仕事を認めサポートしてくれる多くの人がいる一方で

「アイドルだから」「ファンだから」

いつまで経ってもそんな言葉が付き纏う事実にはもう一生翔くんも私達も付き合っていかなければ行けないのだと思う。

報道の道に足を踏み入れた彼にとって、彼を応援する私たちにとって、このような批判は受け入れるべきなのかも知らない。

だけど、彼が戦争を彼の中のひとつのテーマとして掲げ、取材に捧げてきた長い時間と、対象者・過去に真摯に向き合い続けたその事実は絶対に絶対に曲げない。

実際、彼の質問を意味のあるものとして理解してくれている人も多くいる。

彼の仕事を近くで支え、見てきた多くの人が認めてくれている事実が何よりの証明だから。


最後に

あなたが世界に発信しようとしている彼へのその攻撃的な言葉

本当に彼のあの質問を、切り取られた文字でなく音で聞いて判断した言葉ですか?

男性の答えを聞いて、戦争の真の恐ろしさを理解した上であのインタビューの真意を深く考えた上で生まれた言葉ですか?


きっと偏った思想を持つ1部の人々の耳には届かないのだろうけれど、この質問を安直に批判するような人が多くいるようでは、きっと戦争はこの世から消えないのだろうなと思う。

私は彼の思いと彼の言葉を正しく受け止められる人間でありたい。

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