大丈夫になりたい


全然大丈夫じゃない。
ずっと何者かになりたかったのに、この歳まで何も持ってない人間のまま生きてしまった。

運動なんかは全くだめだから期待していなかったけど、音楽や文学、科学で何かの形に残したかった。
人に話せる程度の経験はあったとしても結局中途半端なままで落ち着いてしまった。
才能が足りない分、努力で補わないと100%になれないのに。世の中には両方を持ち合わせて200%の人間もいるのに、赤点不合格で焦燥感だけが募る。まるで夏休み最終日のような気分が何日も何ヶ月も何年も続いている。

もし有名なアーティストならば、死んだ後も曲が現物として残り、生きた歴史が人間の頭に残る。
今のわたしが死んでも、家族の遺品整理で全てが片付いてしまう。
皆に植えられた、わたしの記憶の寿命が何年なのかを知らない。すぐに枯れてしまうと思う。追加更新の水がなければ、記憶はすぐに枯れてしまう。

人に話せない過去がある時点で、わたしが望んでいた人生からすでに脱している。
路線を変えて、暗い世界から逃れたサバイバーとして生きようと思ってもそれだけの体力と精神力がない。
現実を打破できない、レールの先に行き止まりが見える。生きている道の数が減っていく。あとはもう、自分で路面を整えて枕木を添えて、鉄を敷かなければルートがない。

誰かに支え続けられて生きてきたこの数年間が恥ずかしい。ただただ、運が良かった。
身に合わない経験も貰った。
経験を機会に変える力があれば、せめて恥ずかしくなかったのかもしれない。

早く大丈夫になりたい。
戸惑っていただけの時間があまりにも長すぎた。今からせっせと、自分の生きた経歴を更新するために奔走するのか。それとも諦めてしまうのか、今は何も判断ができない。

少し休みながら、ちょっとした出来事に一喜一憂しながら見据える時間が必要になってきた。
考えていることを少しでも世の中に残す、痕跡として残すことができるかぎりなのかもしれない。

普通に生存しているので、メッセージ不要です。休憩します。

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