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乙部 満選手インタビュー【ノーロープ バラ線爆破デスマッチ】

GANJU SCRAMBLE 熊本大会のメインイベントにて同門・魔界軍のB.B.アームズ選手とバラ線爆破デスマッチを行う乙部 満選手にインタビューを行った。「B.B.アームズを完全に破壊するため」に乙部選手が提案した、ガンジュのリングでは初となるバラ線爆破デスマッチ。この試合に至る経緯と想いについて乙部選手が語る。

乙部インタビュー

――乙部選手、よろしくお願いします。

乙部「フン……貴様、我輩のことは総帥と呼べ」

――え?

乙部「魔界の総帥たる我輩が魑魅魍魎に等しい貴様のために時間を割いてやっているのだ。二度目はない、いいな?」

――は、はい総帥。よろしくお願いいたします。

乙部「さっさと終わらせるのだ、我輩は忙しい」

――SPRING and CARNAGE両国大会にて、実質3対1とも思えるようなシングルマッチで乙部総帥はB.B.アームズに敗れました。

乙部「…………」グシャッ

(一瞬記者の視界が真っ赤に染まったが、気づくと再び乙部選手の前に座っている)

乙部「……我輩が一時試合を終わらせた。結果はどうでもよい」

――?? は、はい。乙部総帥は試合後、B.B.アームズ選手を完全に破壊するため、バラ線爆破デスマッチを提案されました。今までのガンジュでは行われなかった試合形式ですが、バラ線爆破デスマッチを選んだ理由は何なんでしょうか。

乙部「リングの上で話した通りよ。最近のB.B.アームズはポンコツと見紛うほどの無能ぶり。せいぜい桜神レベルの選手を足止めするくらいにしか使えなかったが、もともとB.B.アームズは吾輩の造った最高傑作の殺戮兵器よ。兵器がバットだのハンマーだので破壊できるはずがないのだ。我輩もうっかりしておったのだよ」


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ノーロープ バラ線爆破デスマッチ:リングの四方をワイヤーロープではなくバラ線が囲い、勢いよくぶつかると爆音とともに火花が飛ぶほどの爆発を起こし、ダメージを負う。リングに散らばった凶器を使うことも自由。またリングを囲うように爆破ボックスが設置され、場合によっては一斉に爆発を起こしてリングじゅうを衝撃と爆音が襲い、リング上の選手に大ダメージを与える。大爆発は一定時間経過時に引き起こされることが多いが……?


――大きな爆発を起こす火薬であれば、B.B.アームズを破壊しうるということですね。

乙部「さすがの我輩も無傷というわけにはいかないだろうが、これも為政者の定め……飼い犬の世話は最後の最期まで見るもの、それは現世でも魔界でも変わらぬ。B.B.アームズは機械だがな」

――しかし廃棄処分はB.B.アームズにとって本意ではないはず。両国大会のように、必死の抵抗をみせるのでは。

乙部「無論、ヤツは殺戮マシーンであるから自己防衛機能は当然ついている。だがヤツの製作を監修したのは他ならぬ我輩よ。魔界の機械にロボット三原則などあてはまるわけがないが、たかが機械が創造主を上回ることなどありえぬわ」

――B.B.アームズ選手はかつてガンジュに在籍しWAWに移籍していた高田陸選手であると正体を明かしていましたが……。

乙部「貴様、いったいいつの話をしている? それはすでに対処済みのバグよ。B.B.アームズの素体が高田陸であろうとなかろうと、高田陸の意思がB.B.アームズに宿っているはずがない。此度の試合で我輩がB.B.アームズを破壊した後、残るのはただ鉄クズ。何の価値もない残骸が残るだけよ」

――いま鉄の買取価格があがってますので無価値というわけでは……。

乙部「くだらん、トン当たりいくらなどという世界で我が魔界軍は戦っておらぬ。貴様らがいくら期待を高めようが勝手だが、我輩にとっては今回の試合はただの廃品処理にすぎんのだ」

――試合の話に戻らせていただきます。この試合形式では、決められた経過時間でリング外の爆破ボックスが大爆発を起こすことも可能ですが、今回は使用されるのでしょうか?

乙部「フン、使うかもしれぬし、使わないかもしれぬ。バラ線の電流で壊すことができるのであれば、それに越したことは無い。そんなこと貴様らが気にする必要もない。大して盛り上がりもせずに粛々と我輩は処分を行うのだ」

――あくまでB.B.アームズ選手の破壊だけが目的だと。

乙部「BREAKにも侵攻を開始した今、我輩は壊れた機械をいたわる暇などない。ガンジュの都合でメインイベントなんぞに据えられたが、そもそも観客など入れる必要もない試合だ。B.B.アームズに意志などない。反抗、逆転、そんなもの起こるはずがない」


(了)

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