名月記
名古屋大喜利大戦「名月」が終わりました。6月のメリヱスで聞いてからずっと意識していた大会。久しぶりに名古屋で行われる大喜利大会は、休止期間の方が長いもののそれなりの年月名古屋で大喜利をやってきた身にとって特別なものでした。とくに5月に界隈に戻ってからは参加するごとに新しい若い人に会い(これが全員面白いから本当にすごい)、自分のような実績もない出戻りおじさんにとって、この人たちに認めてもらえるような面白い大喜利がしたいという思いが日に日に強くなりました。そんな中での名月、しかもその認めてほしい人たちの中心にいる静かの海さんが主催。良くないモチベーションなのは分かっていても、絶対に勝ち進みたいそう願わずにはいられませんでした。
大会の数日前に静かの海さんのキャスでブロック分けが行われ(職場のシステム障害に伴う残業で見れなかった)、Aブロックに。周りではCブロック、Eブロックのヤバさに注目する人が多かったけど、十分すぎるくらい嫌なブロックでした。
理由の一つは会の最初のブロックということで自分のギアがかかる前に終わる可能性があること。そしてもう一つは単純に東海の自分が敵わないと思うプレイヤーが集まったということ。ドクローネさんは言うまでもなく、バームクさん、えすわいさんはメリヱスで会うたびに面白いなと思わされる人です。どんなお題でもフィットしてしっかりと面白い回答をつくるイメージもあるし、場の流れを掌握する力があると思っていて、自分が知らないネットミームを乗りこなして爆笑をさらう姿は遠くから見て眩しさすら感じることがあります(今回参加されなかったけどスポーツバッグさん、私たちさんからも同じことを感じている)。あと大会での鳥取トリトンさんが全く想像がつかなかったのと、立板に流水さん、Dar-Tなたでここさんが未知数すぎて、ブロック見た時の第一印象は予選敗退だろうなでした。
大会当日は、前日に結局今現在まで直っていないシステム障害の影響で10時まで残業させられ、大喜利ブルペンの30分前に起きるという失態から始まりました。大喜利ブルペンは、名月への調整用に午前中に落合監督さんと物数さんが開いてくれた会で、自身もプレイヤーとして参加するのに主催という重荷を背負ってくれたお二人には感謝しかありません。実際僕は大喜利ブルペンに相当救われていて、ブルペンではスッカスカだったものの、何とか名月までにギアを入れ直すことができました。あと脳髄筋肉さんが遅刻した僕を殺すと言っていたらしく、この人はいまだに僕を雑にイジってくれる貴重な人だと思い出しました。
ブルペン後はアントニオカッキーノさん、丈希さんとコメダに行き、カツパンを食べる2人を横目に上の具をほぼこぼしながらピザトーストを食べたりしました。後で、カッキーノさんのツイート見て験担ぎだと気付くくらい単純にピザトーストが食べたかった。大喜るトーナメントや復活する鴨川杯の話など普通にいい大喜利の話をした後、でらますコラボ中の香源さんが近いことに気付き、一人寄ってから会場へ。会場に入ってからは適度に雑談しつつも、席に戻っては静かに深呼吸し栄養ドリンクを飲む相当話しかけづらい人だったと思う。隣の席の加藤慎也さんには悪いことをしました。
カメラのセッティングなどで少し押したものの会がスタート。始まるや否やAブロックの出番でした。席に着くと隣の席のDar-Tなたでここさん(後で聞いたらUMBの本線に出てる凄いラッパーだった)という明るく育った自分みたいな見た目の人に「どっちが本物か決めようや」的なことを言われて絡まれたり(うまく返せなくてすみません)、それを見た脳髄さんが鴨川杯の三兄弟イジリをしたりしてて、誰が知ってるんだとツッコんだりしました。さっき調べたら7年前の出来事で戦慄しました。
そんなこんなで1問目「行き先が全く定まってない「どっか行こう新幹線」に乗車するとこんなことが起きる」
出た瞬間どこに重さを置くか迷ったお題でした。結果として「かなり遠くに連れていかれそう」というポイントを中心に「ぐるっと日本一周して元の駅に着く」「パスポート持ってきてくださいと言われて岩手に連れていかれる」「途中で車両が切り離されてはなればなれになった修学旅行生がいる」などを出したもののややウケ。もう少し新幹線の要素を増やせば良かった。耳で聞く感じだと、ドクローネさんが常にウケてて、特に「只今きさらぎ駅を通過しましたと言っていて怪異通過することあるんだ」という回答では爆発が起こってました。あとの人はたぶん団子状態で自分は4〜5番手、次で大きいの出さなきゃと思いつつ、4分で4,5答できているので悪いペースではないなという感じでした。
2問目は「「ぎっくり腰」「四十肩」はわかるけどそれは何?となった体の部位がついた病名」
パワーワードと体の部位を組み合わせるのが一般的と思いながらも、それでバームクさんやえすわいさんに勝てるわけないだろと、違う土俵を探すことに。それは何?の部分がキモだと思ったので、言葉の意味は分かるけどうまく想像できない絵を作ろうと考えて回答を乱発することに。「大腸放出祭」「胃まみれ」あたりがウケてくれたので、どうにか行ってくれと祈りながら結果を待つことになりました。
この日全部最初のブロックだったので、モチベーションを保つためにうまく息をつくことができず、こんなに切り替え下手だっけとなりました。
そんな感じでメモを取る余裕がなかったので、他のブロックについてはざっくりとした感想です。詳細については静かの海さんのブログと後で動画も上がるそうなのでそちらから見てください。https://silent-no-umi.hatenablog.com/entry/2023/09/30/215629
Bブロックでは、まぁ抜けてくるよなと思う田んぼマンさんがしっかりと場をリードするものの、いい時の手がつけられないほど勢いはなく、ここを印象で上回れるかが勝負だなと思って見てました。その中でブルータス森さんが一位抜けに。僕は森さんの大喜利が大喜利意識調査で挙げるくらい好きだし、凄いと思ってるのでむちゃくちゃ嬉しかったです。来月から東京に行くということなので東京の人たち、よろしくお願いします。ブルータス、ネタも最高に気持ち悪くて面白いので。
Cブロックはそりゃそうだろという激戦区。その中でもしっかりとお題を打ち返した長谷川さんが一歩リードした形に。大会全体としてお題にまっすぐ向かった回答が評価される空気は自分としてもありがたかったです。逆に苦戦してたのがカッキーノさんで周りが勝手に設定した何をしてくるんだろうというハードルに悩まされてる感じがしました。昼飯後に何度か眠いと言っていたので本当に眠かったんだとは思うんですけどね。これは新潟の方々にも言えるんですが疲れてる状態の大喜利で本調子が出るわけないので、あまり結果に落ち込まないでほしいです。朝の会遅刻して身体休めるくらいでいいんです。
Dブロックは、5周年さんがとにかく凄くて、手数出してるのに一個も外さずウケ続け、副編集長さんすら置いていくというとんでもないノリ方でした。予選本戦通して一番凄かったと思います。実際他の人も実力出しきれてないのが見えるくらいで、ああいう暴風雨の中での自分の保ち方相当難しよな、自分ならどうするかなと思って見てました。
Eブロックは自分の中ではC並の激戦区で、宇多川どどどさん、警邏さんは言うまでもなく、ゴミー・ペイジさん、落合監督さん、丈希さんという名古屋の超新星に、名古屋のボスくろゆきさん、新潟筆頭9快速さんとマジで全員本戦行きのメンツだと思っていました。その中でゴミー・ペイジさんが一位抜け。前に見た犬を舐める人のコントが面白すぎたので、大喜利もすごいんかいというか、流石というか。丈希さんはマジで惜しくて、このブロックの4位は十分に凄いので凹まないでくれと思ってました。(翌日ボケルバ新人戦の速報見てむっちゃ嬉しかったです。)
敗者復活は3分1問1人にだけ投票という過酷なルール。敗者復活が厳しくなるのは当たり前といえば当たり前ですが、ここで勝つには実力と運の両方を持ってなきゃいけないと思うので結果に一喜一憂しないでほしいですね。
ここを抜けたのはスカイブルーさん、大田ソラネさん、しろやまさん、野島久助さん、あちゃのさん。太田さん、野島さんが報われたのは本当に嬉しいし、ここで大きいの出せた自分を次からも信じてほしいです。
個人的に印象に残ったのが、Cブロックで、しっかりと回答の質でリードするしろやまさんを手数で追い詰めるくろゆきさんという図はダイバーなでしこのアカコ vs sami戦を思い起こさせるものがあり、勝ったしろやまさんの喜び方も含めて胸が熱くなりました。皆さん名古屋のボスはこういう人です。
敗復後はインターバルなく本戦へ。僕はAブロックだったのですが、本戦の組み合わせは完全ランダムらしく、しかもその場で呼び出しのため横並びの人をあまり意識せずに大喜利へ。正直予選の調子の長谷川さんと5周年さんを意識していたら姿勢崩してた可能性も高いのでむしろ良かったです。
1問目は「「ゾウの鼻がすべり台になっている」ならわかるけど、流石に変だろと思った動物をモチーフにした公園の遊具」
パッと見の印象は難しいお題だなという感じで、動物の奪い合いになるだろうし、たぶん序盤で使いやすい動物は使われて後半ジリ貧になると思い、とにかく早めにリードをつくるを意識してやりました。一答目の「ゴリラに入って自分の胸を叩く」と二答目の「キリンの足の長さに注目した登り棒」がウケてどうにかイメージ通りの展開に。動物お題で困るとキリンの足の長さって言ってる気がする。キリンが足長いの面白いから仕方ないですね。
2問目は「通販番組にリアクション要員で呼ばれたアホ山くん「○○○」」
アホ山お題はアホの部分の再現ができなくて苦手なんですが、前にぽるすさんが「普通ではしないことをさせればいいと思ってから楽になった」と言ってるのを聞いていたので、単に進行に邪魔なやつとして考えることでかなり楽になりました。その中でも「キャシーは困ってるときが一番かわいいな」と「高いところにある枝 あこがれますよね」は自分でもいいの出せたと思う出来でした。
EOAからの自己分析として芯に当たったときのパワーはある方だ(拍手笑いを起こす力は持っている)と思っていて、あとは2つ目をどう出すかだと思っていたので、それができての一位抜けは本当に良かったです。
Bブロックは、生命の輝きさん、副編集長さんという名古屋の二大巨頭が終始他を寄せ付けないまま最後まで走り抜ける形に。とくに「大事な契約書にサインした後、あなたが見つけてしまったふざけすぎている一文」というお題での「一日でも過ぎたら殺しちゃうよ。これは約束ではなく歴史だからね」はこの日の生命さんの回答では一番好きでした。
Cブロックは、脳髄筋肉さん、田んぼマンさんの遠征勢が逆に名古屋勢を虐殺する結果に。脳髄さんはCブロックのサドンデスから明確に調子を上げてきていて、特に「「こいつインドに妙な憧れを抱いてるな?」と思った理由」ではインドから拾える要素をくまなく拾ってくる大喜利の教科書のような戦い方で、終盤に「あー!と言いながら0を指差している」と答えたあたり凄すぎてヒキました。田んぼマンさんがずっとくだらないこと言ってたこともあり、ベテラン2人で出来ること全部やるなよと思いながら見てました。
Dブロックは、宇多川さんが会場に伝わりきった感じもありリードする中、しっかりと打ち返しきった警邏さんが二位抜けに。宇多川さんの思考が分からないのは当然なことなのですが、「「いやーいい最終回だった。でも…」一体どこが気になったんですか?」で「スネ夫のドアップで終わった」とほぼ髪だけのスネ夫の絵を出したり、言われれたときに納得するところまで回答を持ってきたときの宇多川さんは改めて怖すぎました。
準決勝の組分けは各ブロック1位がAブロック、2位がBブロックで発表されたときは、他ブロックの1位と当たるのかと思いましたが、1位と2位順繰りに当てたとしても、自分、副編集長さん、脳髄筋肉さん、警邏さんという同じ方向性での潰し合いになるだけだったので、今考えると方向性の違う生命の輝きさん、宇多川さんが入ってくれたのはありがたかったです。あと誰かが鴨川杯でやれと野次を入れてたんですが、普通に遠征するメンツだし鴨川杯に限る必要ないだろ。
1問目は画像で一言
第一印象は捉えどころがないなという感じでした。細部を見れば遺跡っぽさとかRPGぽさとかが目につくけど、あまり鉱脈はない気がして、光に向かって指差しているところにどう文脈をつけるかという感覚で挑みました。一答目の「退職届はあの先で出せます」と「右折禁止だ」は割と賭けで出したんですがウケてくれたので少し気が楽になったものの、他の人もどこでホームラン打つか分からない人だらけなので終始焦りながらの戦いでした。あと頭の中から遺跡(世界遺産)というワードが抜けなくて、そのまま調理してもウケないだろうと確信があった中、「この問題に伊沢が地球と答えた」とブラッシュアップできたのは自分の中では大きな一答でした。
2問目は「「二階から目薬」よりももっと難しい行為「○○○から△△△」」
二階や目薬の部分を誇張したり、発展させるだけでは生命さん、宇多川さんに敵わないという確信があって、もっとアトランダムに無理な状況を作る必要があるなと考えてました。それでも東京タワーとか解答に使ってたので大分と引っ張られてはいるんですが。実際宇多川さんが「12階からお尻にパイナップルジュース」と言って爆笑とってるのを聞いて、そっちで責めなくて本当に良かったと思いました。「3秒前から好きでした」は「から」の部分に必然性が持たせられて良かったものの、ウケたのはこの一答くらいだったので決勝は無理だなと思ってました。
Bブロックは、警邏さんがもう一段ギアを上げた感じで、他の人がお題を捉えきれず当たったり外したりを繰り返す中、一人で正解出し続けていて凄かったです。準決勝からは明確にお題の難易度が上がっていたのですが、このネット大喜利強者たちでもここまで苦しむのかという印象でした。とくに副編集長さんがサドンデスの末とはいえ敗退したのが、優勝候補筆頭だと思っていたので衝撃でした。
決勝は試合前の一言で何も浮かばなくなるくらい疲労で頭が働いてないのが分かっていて、気合いで乗り切った感じです。動画を見てもらえると漢字が出てこなくてひらがなの比率が増えてるのが目にとるようにわかると思います。ほぼほぼ回答の記憶がありませんが、思い出せる範囲で思考を追っておきます。
1問目は「本当に月があなたを追いかけているとしたら、たぶんこんな理由」
本当にの部分に相当苦しんだ気がします。要は幻覚とかファンタジー以外でという縛りだと思うんですが、月に追いかけられるというシチュエーションを現実世界に落とすのに(しかも必然性を持って)、苦労しました。今になると月を擬人化して自分と関係性を持たせるとか見えてくるんですが、月を月として処理しようとして失敗した感じです。「一度同じ目線で見てほしい」が唯一のヤヤウケ回答だった気がします。
2問目は「そういえばこの会場は生涯学習センターでしたね。なので…あなたの大事な人生を使ってそんなことを学ぼうとするな」
これも相当苦しみました。警邏さんのnoteでも書いてあった読み間違いだったんですけど、僕の人生を使って誰かが学んでいると捉えてたんですね。自分の人生をベースに回答するものだと。そうすると学べるものがないこと、ないこと。結局そんなことの部分に重きを置いて「いそうでいない徳川将軍」とか「AKBメンバーの忘れ方」とか頭から出てきたものをほぼ無加工で(加工できるほどの余力がなくて)出してたので結果変わらないんですが、もう少し何かできただろうと。会の最後まで持つ体力作りとこういうときのワードストックは今後の課題です。そんな中2票入れてくれた方には本当に感謝しかありません。
優勝は警邏さん。できることであれば初代名月の称号は東海勢にとってほしいと思っていたので、むちゃくちゃ嬉しかったです。今まで何度もご一緒させてもらっているのですが、本当に外した回答をしてるところを見たことがないし、ずっと敵わないと思ってたので、しっかりとタイトルという形になって本当に良かったです。あと普通の大喜利会でふざける方向にシフトしたときの警邏さんも同じクオリティで面白いので、あの日の警邏さんがすごいと思った人には名古屋の普通の大喜利会に是非来てほしい。
打ち上げでは延々と昔の大喜利の話していた気がするんですけど、マジでウザいおっさんになってなかったか心配です。前にメリヱスの打ち上げでもやらかしてる気がするので、自制しなくてはと思ってます。あと、平場での僕の使い方の正解は雑なボケにツッコませ続けるとかなので、もっと小難しいこと言えないくらい、雑に扱ってほしいです。遠慮とか、仮にあるとして尊敬とかなくていいです。ボッコボコにボロ負けした後のボロ雑巾みたいになってる時に「加点の勝ち方教えて下さいよ」とイジるくらいでちょうどいいです。それに今日何見てたんだよとツッコんでるくらいがちょうどいいので。何言ってるんだろ。
あと打ち上げ終わりでミリアニ第三幕観に行って信じられないくらい泣きました。優勝したときに泣く分全部出たと思います。
最後になりますが、静かな海さん主催お疲れ様でした。心に決めていたとはいえ大会の運営を一人で完遂するのは相当な労力だったと思います。今はゆっくり休み、大会を成功に導いた自分を褒めてあげて下さい。
そして、参加者の皆さん対戦ありがとうございました。遠路はるばるの方も地元の方もこの名古屋で戦えたこと、本当に嬉しかったです。また来年戦いましょう。次も勝ちます。
警邏さん、改めて優勝おめでとうございます。次は勝ちます。
名古屋大喜利大戦「名月」準優勝 プーチンと白プーチンより
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