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わからない人~障がい者施設で働いて考えたこと~

※あくまで個人の見解です。

私は障がい者施設で働いています。その施設には重度とか再重度とか言われる利用者様が住んでいて、私は生活のサポートをしています。利用者様は、「わからない」人が大半です。言葉も文字もなにを考えているかも、わからない。そんな人たち。きっとなにも考えてないし思ってないんだろうな。日々ぼんやりして、気楽でいいな。私達はあくせく働いているのに。

思いますか?

利用者様は、わかっている。理解している。ただ伝える方法が違うだけ。文字はわからない、言葉はない。けれど利用者様はみんなわかっている。

ある時利用者様の一人が体調を崩して、いつも歩いているのに車いすに乗っていた。そうすると、他の利用者様が近くに車いすの近くに来るんです。そして心配そうに車いすの利用者様の顔をのぞいたり、そっと触れたりする。なにもわからないのにそんなことするのでしょうか。

人を引っかいてかみついて、いつも職員を困らせる。そんな利用者様は私のあかぎれをみて「けがしちゃったの?」と優しくなでてくれる。

行動には意味がある。困らせる人は困っている人だという。わからないのは、わかろうとしないのは私達。

私の言っていることが全てではありません。ただ、こういう考えもあります。

笑い話?夜勤中、いつも起きてきて遊びたがる利用者様が他の利用者様が体調不良などで職員が忙しいと起きてこずに部屋にいたりします。空気を読んで下さっているんですね。

~番外編~

今は療育が発達して、障がいのある子ども達の持てる力を伸ばすことが出来る環境が整ってきている。とてもいいことで、社会で生きていく力が小さい頃から育つことは重要。
いつか私が働いている施設はなくなるのがいいのでしょう。みんなが小さい頃から適切な教育を受けて、社会の中で暮らしていけることが理想。でも、私達の仕事は続くから、社会の中で利用者様をサポートする仕事になるだけだから、障がいのある人に、家族に安心の見通しが見えたらと思います。私達は頑張ります。これからも。

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