意思ある孤立を
何の宣伝だったか、それは覚えていないのだが、いつか見たテレビCMの中で男性が発していたこの言葉が強く印象に残っている。
「意味無く群れるよりも、意思ある孤立を。」
孤立するには覚悟がいる。自分で考えることをやめ、周りに合わせて一緒に流されていくことがどんなに楽か、私は知ってしまっているから。その楽な環境を捨てて自分の足だけで立つなんて恐ろしい。恐ろしいから、それを選ぶには覚悟が要る。
たまに周りの流れが急流すぎて、ペースを合わせるのが辛くなってしまうこともある。そんなときはとても体力を消耗する。疲れ果てて、もう嫌だ、やめてやる、そう思うときもある。
そんなとき、孤立を選べればいいのに。意志を持って踏み出せれば良いのに。大抵は、そうじゃない、自分を変えることじゃなく周りが変わることを望んでしまう。でも流れは簡単には変わらない、自分ひとりの希望じゃとてもとても、変わりやしない。
楽になる方法を知っていても覚悟がなくてそれを選べないから、揃わない足並みに不快感を覚えているのに抜け出せない。ペースを合わせられない自分の思考を変えたらいいのにそれが出来ないで、周りに対して「自分に合わせて欲しい」と願ってしまう。
傲慢だ、と思う。
自分は変わろうとしないのに。
対価を支払わなければ報酬は得られないのに。
私は傲慢な人間だ。
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