むらさきいろ



紫色が好きだ。

私には好きな物がたくさんある。
今まで夢中になってきたものもたくさん。
声優にアニメ、演劇、ミュージカル、本にマンガ、ボーカロイドやゲーム実況。

夢中になった私が特に気に入った人やキャラクターは、何故かたいてい紫色を纏っている。
爽やかな声と毒舌に惚れたあの声優さんも
子供の頃からずっと憧れのプリンセスも
低い歌声と笑顔が魅力のあの歌手も
楽しそうにゲームを実況している彼も、
薄かったり濃かったり赤っぽかったり、それぞれ色味は違うけれど、大きく紫色にくくれる色を、メンバーカラーやイメージカラーにしている。

もちろん別の色の人を好きになることもある。赤や黒、ピンクの人もいる。でも紫色だけが不思議なくらい圧倒的に多い、堂々の第一位。

私に限らないと思うが、私たちオタクと呼ばれる人種は愛する人たちの担当カラーを身に付けたがる。ライブに行くならその色の服を買い、アクセを着け、ペンライトを振る。

イベントが無くたって生活の中でその色は目立って見える。

無意識の中でその色を手に取る、好きな人の色だ、好きな色だ、と、そう思っているからなのか。私は紫色に惹かれる。紫色のセーターを、リボンを選ぶ。紫がかった色のアイテムは私には魅力的に映る。

紫色を纏った彼らだから好きなのか、いやそれぞれ好きな部分は違うわけで、好きになってみたらまた紫色だったというだけで。じゃあ彼らが纏っているから紫色に惹かれるのか、いやいやそれもしっくりこない。卵が先か鶏が先か決められないように、私にはその因果は分からない。
分からないが、私が次に夢中になる相手も、きっと紫色を纏っているんだろう。


私は、紫色が好きだ。

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