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小さな彼3

 彼と出会った場所は、携帯の中でした。心の病気を克服した、同じ年齢の優しい異性の友人が、お散歩しながら会話しているので、時々早朝のお散歩のお供をしていました。そのグループ通話の中に彼はいました。
 通話の輪の中に彼がいるのが見えていたのですが、そのグループ通話にはいつも入りませんでした。なぜかいうと、恐ろしい映画の主人公の顔のサムネイルでしたので、怖かったからです。彼がいなくなるのを待って、グループ通話に入っていました。
 あるひ注意が散漫になって、彼のいるグループ通話に思わず入ってしまいました。とても緊張しましたが、お友達が楽しそうに彼と話しているのを見て、「彼は、サムネイルの見かけと違って、意外と安心できる人かも知れない。」と、思いました。
 ある日友人が通話を終えて仕事に出かけたので、二人だけになってしまいました。通話をどうしよかと、思い切って「会話を終わりますが?」と聞きました。「どちらでもいいです。」と彼が言ったので「続けます?」と聞いたら「はい。」という返事がかえってきました。
 冗談交じりに私は「私を気に入ったから?」と聞きました。「はい。」という返事でしたので、大変驚きまた。
 今更ながら思いだしても、少し変わった出会いでした。

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