好きなもの
サウナが好きだ。
そう言うようになったのはここ1年くらいかもしれない。
サウナ自体はかれこれ10年くらい前の大学生の時から好きだった。
近所に住むバイトの先輩と週1くらいのペースで近くの銭湯に通っては、温泉に浸かるのはそこそこに主にサウナを楽しんでいた。(まあその後の神戸名物の「もっこす」という油たっぷりチャーシューたっぷりのラーメンを夜中に食べるという何とも言えない贅沢をするのも負けず劣らず楽しみではあった)
その頃もサウナ目当てで銭湯に行ってはいたのだけれど、サウナ好きを周りにあまり公言はしていなかった。
なぜ公言していなかったのだろうか?
考えられる説は2つある。
1つ目の説は
今ほどサウナがブームになっておらず、「好きなこと=サウナ」という方程式って世間は受け入れてくれるのか?と無意識に考えていたということだ。
今でこそサウナの魅力をテレビを始めとしたメディアがちゃんと言葉にして世間に伝えてくれるから、僕も自信を持ってサウナ好きを公言できるけれど、当時はあまり脚光を浴びていなかったがために、大きな声で言えなかったのだ。言えないと思っていたのだ。
つまり自分と同じようにサウナをこよなく愛する人の存在が僕の背中を押してくれたのだ。
2つ目の説としてはサウナのことが好きということに気づいていなかったということ。
先輩と温泉に浸かったりサウナに入ったりしながら他愛のない話をすることに楽しみを見出していた当時はサウナ自体というよりかはその場の雰囲気が好きだったということだ。
「お酒はそこまで好きではないけど、飲み会の楽しい雰囲気が好き!」と同じ原理だ。
これまたメディアのおかげで自称サウナ好きがたくさんいることを知った僕は、自分もサウナが好きだということに気づいたのだ。
この2つの説、どちらが正解なのかよく分からない(覚えていない)のだけれど、これらの説から思うことは興味や関心って自分でもよく分からないことがあるということ。
「そういえば僕もそれ好きだな」
「確かに僕もそれを選びがちだな」
そんな風に自分の心の偏りやクセって分かっているようで全然気づけていないことって多いのかもしれない。
もう1つ、もし世間ではそんなに注目されていないことでも自分で好きと自覚できているものがあるなら、突き詰めて損はないんじゃないかということ。
もしかしたら僕がサウナに出会いハマった10年前に、「サウナが好きだ」ということを自覚してとことん調べて、色々なサウナに行って(大学生で暇だったし)体験したりと突き詰めていれば、一端のサウナ専門家になれたかもしれない。なれなかったかもしれない。
サウナでは無理だったとしても自分は好きだけど周りで好きだという人を聞いたことがなく、ニッチなところであればあるほど、その分野でパイオニアになれるのかもしれない。
パイオニアにならなくても、自分の好きなことを自覚して、その好きなことに日々触れながら暮らす生活はきっと豊かなものだろう。
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