-少年の疑問-
キィン! ガキィイン!
刃物がぶつかり合う音が響く
ガキュン!キィィン!!
刃物がぶつかり合う音が響く教会に響き木霊すると
仮面をつけた美少女二人が可憐に舞う。
「ほう……やるな……。
だがまだまだ」
プツリ!
「うっく!」
「ああっ!痛いっ!」
ファムとミディアの臀部に鋭い針が刺された。
「こ……のっ!」
スパッ!
「ぐおっ!」
ファムのレイピアがアブグラの腕に突き刺さる。
「どう?針で刺される気分は?」
「お……おのれぇ……」
ズク……!
「う!」
「きゃ!」
ファムとミディアの乳房に針が刺された。
「こ……の!」
……スッ……
痛みをこらえて体勢を整えると
ミディアも剣をアブグラの喉元に当てる。
「おぐ……!」
「さっ、ソフィア姫がどうなったか言いなさい」
「ぐ……。お前ら……前ゼリクの関係者か?」
「言いなさい!」
「ふ……。安心しろ……あの姫は旧ゼリク反乱分子への切り札だ。
生かしておいてあるぜ……」
「本当……?本当に生きているの?」
ファムは安堵したが……次の言葉を聞いて総毛立った。
「まあ、変態貴族への接待はさせているようだがな。
……浣腸拷問室のスカトロ調教で
気丈だった初めに比べ、ずいぶんと従順になってよ。
なんとも色っぽくなったもんだぜ」
(やはりソフィア姫は浣腸拷問をされていたのか……)
「何よ……浣腸……って、
ファム……お姉様はどんなことをされていたの!?」
「あ……ミディア……」
「む……?姉だと……?貴様は……」
我を忘れて問い詰めるミディアを制止し、
ファムはレイピアをアブグラの脊髄に突き刺す。
「ぐ……ぐおっ!」
「命まではとらないわ……、歩けなくしただけ。
ソフィア様の苦しみを少しでも味わうがいいわ」
「おの………れ……」
ラユツはシスターの縄を解くと、
「助けてあげたんだから、なにかお礼してよ」
と、無頓着に言った。
「もう……ラユツ……!
貴方なにもしてないくせに!」
「うふ……。私にできることであれば、なんでもおっしゃって下さい」
「き……今日、泊まるところが無いんだよ。
シスター……ここ泊まらせてよ」
「え……ええ……それで良ければ何日でも……」
部屋の外で男性達の
苦虫をかみつぶすような音がきこえた。
「もう!ラユツったら!……でもお言葉に甘えましょう……
ね?ミディア。…」
のそ……のそ……
アブグラは動かない下半身を引きずりながら、どこかへ消えていった。
部下たちはその哀れな姿のアブグラと
倒れた魔獣を抱えながら一目散に逃げていったようだ。
ーーーその夜
ラユツは教会の離れにある大浴場に浸かって鼻歌を歌っていると。
「ラユツさん……ご機嫌ね」
「う……うわ……シスター…エリス?!」
腰に布を纏っただけの姿で、シスターエリスがあらわれた。
「お背中を流しにきましたわ」
「エ……エリスさん、そんなことされたら……」
「ウフッ……
ラユツさん達には感謝していますの……、あの時来てくださらなかったら……私は今頃グァヴェスに……・」
「……そういえば、
エリスさんがアブグラにカンチョー?されるとかなんとか……」
「は……はい……今頃わたしは浣腸責めを……」
「あの……そもそも……
カンチョーってなんなんです?」
「か……浣腸ですか……
お……女の口からそれを言わせないで下さい……」
「エリスさんはカンチョーされたことあるの?」
「え……ええ……
幼い頃、腹痛でお医者様に看ていただいた時に……あ……ありますわ……」
「か……カンチョーされると……どうなるの……?」
「いやっ……!もう、ラユツ様ったら変な誘導をして……。
もうここから先は言えませんわ……。ごめんなさい」
「…………?」
ラユツに
残る疑問……
浣腸とは一体……なんなのか……。
--数日後
「さ、ファム…ラユツも、そろそろ出発をするわよ」
「は……?もう旅立つのか?」
「いつまでもお世話になっていられないでしょ。
それに、エターナの街に、強い女魔導師がいるって噂らしいの
……ここから南を目指すわよ」
「わ、女の子!?エリスみたいな淑女?」
「淑女かどうかわからないけど、美女らしいわ」
「そうよ!しかも相当強いらしいわ!
その娘を仲間にしたら、一気にゼリクが奪還できるくらいの……!」
「あ……あ……美女か!急いで仕度するよ!」
「まあ……ラユツ様ったら……」
「ミディアが言ったことは聞こえていないようね」
「まぁ、いつものことでしょ」
慌てて荷物をまとめるラユツをみて、ミディアとファムはやれやれといったように顔を見合わせる。
「エターナには宿を経営している弟がおりますわ、
なにかあったら頼ってみてください」
「ええ、ありがとうエリスさん」
「宿屋ね……助かるわ!」
ミディアのパーティーは
南下し、森を抜けたところにある商業都市エターナを目指す。
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