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ルビコン川を渡ってみれば

「おっ、今日はエビチリか~。エビ大きいね。いただきま~す」
「旬ちゃん、どうだったの」
「何が」
「何がって、彼女の感じよ」
「うん、決めたよ。結婚」
(母は、ここで箸を落とす)
「えっ!まだ三回しか逢ってないって言ってたわよね。ご両親は何してるの。ご兄弟は?」
機関銃のように、矢継ぎ早な質問が…
「親のことは、まだ聞いてないな~。彼女の親と結婚するわけじゃないし、彼女とは、三回も会ったし十分だよ。本が好きだって。僕と一緒みたい」
「いやだわ~この子、ちょっと付き合ってみるって言って、朝出かけたのに~」
「だって、何となく成り行きで、結婚しようかって言ったら、ウンって即答だったからさ」
どんなに長く付き合っても、女性の心はわからない。
なら、彼女と自分のfeelingを信じ、勢いで決めてしまうのが一番だ。

オレ結婚するんだなぁ~、何故か他人事のような気がする。
風呂に浸かりながら、今日の事を考えてみる。
人生最大の決断をいとも簡単に…
川を渡っちゃった。
結婚するってこんな感じで決まってしまうんだ。


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