18.こだわりのお道具 プルブイ

板橋カルチャー時代、選手コースの1番上のクラスになると自分の道具を持ってきて使えた。正確には違う、私の道具は実はクラブの備品を海外遠征や国内合宿に持っていっていたもので、所有権はクラブで使用権を、いやむしろ占有権を持っていたという方が正しい…。頂いてしまった形になっていたので、倉庫に選手たちのお道具カゴがあり、そこから自分の道具を持ち出して練習で使い、皆で片付けてという置き勉ならぬ置き道具をしていた。

東京SCに移籍後はこれを持っていっていたわけなのだが、実家の母がつい最近まで、たいそ大事に保管していた。

現在プルブイの種類は多種多様で、ビート板を足に挟んで泳いで、隣のコースに飛ばしてしまったり、白いスポンジ素材のプルブイの糸を短くするのがはやったことも、あの糸を靴紐でデザインした頃が懐かしい。いまだに思うが、取り回しやすく平泳ぎのキックにも使いやすく、私はこれが1番泳ぎやすい。

そんな時代を過ごした私が大人になって、愛用してきたのは早く乾燥して持ち運びやすいアリーナのARN100というビート板にもなるプルブイだ。
大会のアップに持ち込むこともあるので、時には枕にもなっていた…

どのプルブイを選ぶかはそれぞれで良いと思うが、一つの基準としては足がどのぐらい沈んでいて、どの程度ブイの力で浮かせたいのか、ブイをはめた状態でキックをするのか、浮きすぎる事をどのように考えるか?で選べば良いと思う。

子供については体のサイズに対して浮力が高すぎるので無理に与える事なく、まずは自力で泳ぐ事を考えていけば良いと思う。高学年や中学生以上になって大人に近い体型に近づいてきたら、浮力の低い小さめの軽いブイから練習してみると良い。練習タイムは伸びないので悔しい気持ちもあるかと思うが、レースでブイを使えないわけだから自力をつけることに主眼を置くと良い。対して大人から水泳を始めて泳ぎたいけれど下半身が下がって仕方ない方は水面と並行に脚を維持するために浮力の強い大きめのブイで足が浮いた姿勢で進む事を経験して感覚を養ってほしいと思う。
海外のブイでは背の高さや体格が大きい方向けのものが多く、そのようなものを小柄な方が使うと背中が反ることになり、正しい姿勢の学習を妨げる。実際に泳ぐ姿勢の理想に近づけるための良きパートナーにとどめて欲しい。パートナーに頼りすぎるのはNGよ!

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