154.姿勢の話

姿勢の話

今日は水泳での姿勢の話。
クロールも猫背で丸まって泳ぎますと、手足が大変疲れますし、そもそも手足が伸びませんので水に(流れ)乗れません。じゃあどうやってる?となった時に、肩甲骨の下辺りから腰付近までを引っ張って背筋を伸ばし、背を高く保って、首を伸ばして、手とか足は、胴体の動きについてくるから、気にしない!ようにしましょう!なのだが。
この、気にしない!がどうやら難しいようだ。

その、手足は気にしない!で、反対意見、私は気にするのよ!というかたは、手足でバランスを取っているから、支えがなくなるとバランスが取れないから、なくなったらダメ。だから気にするのよ。となる。

じゃあ、体でバランスって?となった場合、お腹や胸を中心でぎゅーっと絞って捻り、絞りきったところで動作をピタッと止めること。を右に捻ってピタッ、左に捻ってピタッを繰り返しながら…なのだ。

腹筋で言うところの脇腹腹筋やねじり系腹筋を、空中で…(正しくは水中)だからそれはまぁまぁ大変である。陸上に比べて、ふらついても転ばない代わりに、(浮いているだけなので)この浮力が取り扱いづらく、力を加えれば沈むし、力のかけ加減と、間の取り方、つまり動きが読みにくい…。

そのプカプカに乗っかって流れに身を任せて、流れていくのが水泳なのである。
そんなもんだ!と思えてきたら、楽になる。
なのだが…もがいちゃうんだよねー。

この楽しい流れるプールを、どのように指導できるか…。腕の見せ所だ。



話は変わるが。同じ姿勢でも水泳に対する、というか、取り組む姿勢についての違い。

私の子供時代の担当コーチは1名はスポーツ万能。ダイビングやスキーを教えてくださった。1人は日大の馬術部の方で全く泳げなかったが仕事としてスポーツクラブの経営者となり、勉強してクラブ支配人として選手指導にあたってくれていた。1人は小学生チャンピオン、正しくは8歳の天才。

我が両親は母が万能タイプ、父が不器用な長距離選手だった。陸上の。
父も母も泳げるが、元々泳げた父は私に区民プールで競争して負けて悔しくて水泳辞めた。
母は私が泳ぐのを見ていて、それが母自身できないことが悔しくて水泳をしている。
泳ぎを見る目については、コーチ並みだ。言葉にできないからコーチはできないし、やりたくもないようだが、納得がいかないことが多いのだろう。

どのように水泳に取り組むか?もコーチによって様々であったと思う。どなたも、正解だと思う。
様々な考え方のもと、それぞれが尊重しあってみんなで楽しく泳げればそれでいい。

取り組む姿勢がそれぞれ違うように、皆さんが普段から取っている姿勢も10人10色。

姿勢を正す。これは骨格の歪みや体の使い方の癖からお話していくので、立ち方と歩き方の指導までしか、全員で一緒にできるやり方はない。


腰が反っている方も、自分では反っていない、まっすぐだと思っている。それはそうだと思う。
この方にとってのまっすぐは、これなのだから。
事実と違いますよ!と内容を少しずつ確認していくと、あーーーーなるほどね!これがまっすぐなのですね!と納得できれば、良い姿勢を覚えることができる。なので一回で理解できたら、五輪選手ということだ。
まずは徹底的に自分を見て、見れるようになって、発見していくことから、それで十分だしこの基礎に時間をかけていいと思う。

では骨盤の動きを出してみましょう!と言っても骨盤が動かないと思っている、動かせない、感覚が分からないと、決まった動きで止めてしまっているから、骨盤を立てて!と言われても前傾と後傾の違いも分からなければ真ん中も、いまいちピンと来ない。

動かないものだと思っている方からすれば、それは当たり前のことだ。
腰と胸が曖昧な方もたくさんいるし、股関節と腰が混ざっている方も、その自覚がない方も結構いらっしゃる。
いいの、それで。だから一緒に学ぶんだ。

だから指導で、(パーソナルでになるが)細かく納得していただきながら整えていくのだ。

あなたはこれがやりやすいタイプかもね!とかあなたの体の使い方や考え方のパターンではこう考えてみたら分かりやすいかな?など、とにかく生徒さんと感覚のすり合わせをしている。

生徒さんからわかんないと言われた時の、
あの脳みそフル回転。コーチはこれだから辞められない。
何かもっと良いものを出せーと慌てながら超集中が楽しくてたまらない。

また、先生こうでしょ?と予想外の言葉が返ってきた時の、この方の考え方はこういうふうなんだ!頭の中を覗き見て、こうみたいだ!と生徒さん情報を書き換える瞬間も、超集中だ。
覚えろ!今のこの方はこうだ!って更新をかける。

きおつけ!の基本が、
基本こそ
基礎こそ全て!

すごく難しい。私も目の肥えた生徒さんががっかりしないように、腕を磨いておかなくっちゃね。

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