118.チューブトレーニングのやり方と注意点

チューブトレーニングのやり方と注意点

水泳のトレーニングとして一般的で効果が実感できる陸上トレーニングにチューブトレーニングがある。最近でこそ自体重とか姿勢保持などが声高に叫ばれるようになって、私たちも水泳界の常識を世に出せるようになってきたのが、大変嬉しい限りだ。

まずどのようにやるのか?はさまざまな形があるのだが、概ねマシントレーニングの導入と思ってもらえれば良い。ジュニア選手の成長期に重いウエイトを使わずまずは基礎固めという目的でも、勿論成人した大人の方が体の動きや使い方、筋肉の柔らかさや素早く動く瞬発力を出していくことを目的に実施していけばよく、そのため種類の数となると動かしたい筋肉の部位の数とその連動のだけある。

一般的なもの、代表的なもの、水泳の動きに直結しており理解しやすいものとしては、

○シングル
クロールの動作の手が頭上にあるところから背中に力を入れて手を後ろに押し出す動作
キャッチ→ストローク→フィニッシュの3つのストローク動作に分かれており(いわゆる かく と言われる部分)
肘を素早くお尻や足がある方向に(頭上を上としたら足元を下と表現する)一気に下げる

これを右を下げて次左を下げてとを交互に行うのがシングルと言われる。

○ダブル
バタフライのように、シングル の動作を左右同時に行うことで、胸の中心を開き、背中を寄せ、その際背中で姿勢保持をするのだが、姿勢保持で使った背筋を力を入れたり緩めたりが、泳者の意図の通りに出来るのか?をトレーニングする。これもリカバリー動作はなく押し下げるところまで。

○バタフライ
チューブの繋ぎ(バーなど)に背をむけて立ち、肘を90度くらいに曲げたところから胸を閉じながら肘を引き寄せるように掌同士を拍手のように合わせる動作のこと。背中を伸ばしたり縮めたり、胸を閉じたり開いたり、肩関節だけではなく、体幹から動いていくような感じで腹筋と背筋のバランスを整えていくトレーニング。

がある。

トレーニングの単位は
動作のスピードを(速 中位 遅)
動作の完成度を(高 中位 低)
回数(多 中位 少)


の組み合わせでできている。

早く泳ぎたい方向けであれば

動作のスピード 速
完成度 高
回数 少    で、泳ぐ時間分(30秒など)
で何回できるか?という集中力がとても高い状態を保ってトレーニングを行う。


フォームを決めたいのであれば

動作のスピード 遅
完成度 高 中位 
回数 多


瞬発的な能力とその元での筋力を
磨きたいのであれば

動作のスピード 早
完成度 中位 
回数 中位


などのように 完成度が低い時は使い方や動きを徹底的に体に覚え込ませる必要がある。
鏡の前で実施できるのが理想だが、ない場合は、自分の体を触ってみて、感触を覚えていく必要がある。どちらにしても、水泳で使う動作を体で覚えるためのものなので、慌てずに基礎を固めて、筋力トレーニングや体力維持増進に移った方が良い。

細かく分けていけばチューブトレーニングだけでも10種15種はあると思う。

ドリル練習と同じく泳ぐために必要な動作を切り取ってトレーニングするものなので、出来れば全体の動作と個別の動きをセットで考えながら行なっていただくと成長の度合いやまだ理解できない点が明確となり、やる気につながるかと思う。

水泳は他の運動と比べて上半身、主に腕を回す回数が多いので、その腕を回すということを、どこで行うのか?をこのトレーニングで見つめ直すと良いだろう。思うように泳げなくなってしまった時などは最適だと思うし、冬場のアップにも使えるし、万能なトレーニングなので、是非取り入れていただきたい。

道具である肝心のチューブは、ホームセンターのホース売り場の近くにもあるし、かっこいいものが良いとか、強度を選びたいということであれば、セラチューブなどと検索するとでてくる。私は採血の時に使用するチューブを3m買って所々結んで使っている。

ハンドルがあるものが、かっこいいし、良い印象をうけるが、この接続部がゴムの劣化により壊れるので、持ち運びを考えたらチューブだけの方が便利で、その場合は手に巻き付けるとよい。痛いと思うかたは輪っかを作り結んであげればよく手袋や軍手をすれば痛くない。

チューブを固定させるための場所は、バーが一番良いと思うが…どうしてもの場合は頑丈な扉に挟むことでも可能だが、やりにくいと思う。

設置場所は高い位置から持ってくるパターンよりは
股関節を90度程度に屈曲して前屈みになった状態と水平の位置で固定できるのが理想だ。腰の動きやその他の体の連動を意識しながらトレーニングしたほうが、後に別で鍛える必要がなく、腕周りのトレーニングをしながら同時に姿勢や体幹のトレーニングにもなるので効率的だと思う。

脇を締める
小指が下など細かい注意点があるので、
全体の動作ができるようになってからも学びが多いトレーニング方法かと思う。

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