48.お金は幸せの引換券

今日はnoteでフォローさせていただいている高橋伸嘉さんとのコメントのやり取りからヒントを得て、書いてみたい。是非皆さんも、高橋伸嘉さんの数々の素晴らしい投稿をご一読頂き、感動を共有出来ればと…

私が尊敬してやまない友人の川島実先生は、東大寺の僧侶でもありドクターでもあり、元プロボクサーというお方。ご自身は裸足で山を走ると、アースになっていいとおっしゃりながら、最近はマラソンがおおいのかな?

季節は真夏、琵琶湖のクロススイムの前日入りに京都入りしていた私は観光したいと友達の車に乗せてもらって、嵐山経由、貴船神社に登るコースを堪能していた。

ドクターの苦悩、人が亡くなる(お見取り)の話、持ち直した、看護婦さんたちへの指示、クリニックの運営、摂食・嚥下、挿管、訪問介護の点数の話、ご家族への対応などなど、なぜか事細かに聞かせてもらっていた。

…………ここはわたしの友人のドクターの話

運動で世界とる人はある意味リミッターがはずせるんだよね。あなたもそうだと思うけど。

ドクターって常人では考えられないほどの勉強をするんだけど、しつこくしつこく勉強して、もう無理だ!のその先まで行けた人が医者になってて、ネジが飛んでる?!んだよね。
頑張らなきゃいけないときに、バカ力が出せる人。

僕たちの共通の友達で、医大でも優秀で、医局でもいいポジション、やりたい研究も論文も絶好調で、家族にも恵まれて、いつもニコニコ、評判も良くて順風満帆のドクター人生歩んでいて、いきなり病院の屋上から飛び降りちゃってさ。
無茶苦茶するんだよね。
でもここ、病院だから助かっちゃうんだよね、先生、〇〇先生が急患ですってICU担ぎ込まれてね。同期が手術してご飯奢れって。笑えない笑い話だよね。

本人は気持ちよく空飛んだっていうんだけど。
植木に引っかかって半身不随。人ってそんな簡単に死ねないもんだよ。

でも残念ながら、人っていつかはあの世に行っちゃうんだよ。その時がいつかはわからないけどね。

人が亡くなるとき、ご家族は延命して欲しいとか、苦しまずに逝かせて上げたいとか、様々なことを言うけれど、やはりご家族の覚悟が出来ていないと大体揉めるんだよね。なんで救えないんだ!って。訴えるとか始まっちゃって。

へぇーーー、そうなんだ。

続けて
僕たちはね、ご家族の方が色々ケアしたりサポートしたりしてくださることに、ご苦労様って言うようにしているんだよ。

みんな何とかして生かしてあげたいって努力して、挿管して胃ろうしても、生かされて、後に肺炎で腹水溜まっちゃうと結構厳しいんだよね。本人の生命力次第ってところがあるんだよ。

………以下川島先生のお話 ご本人は格段に上品

今朝伏見稲荷走って、きつねうどん食べたでしょ?
あれ、どうだった?美味しかったと思わない?
あれって何で美味しいと思う?

汗かいて頂上ついて、達成感があって、ここでこんな素敵な京都の景色見て、うちわ借りてあおいで、心地よい風が来て、仲間の顔見てホッとして、普通に市内で食べたらちょっと高いきつねうどんだよ。至って普通のね。

僕たちはおうどん食べようって早起きして霧の中走って登ってきたから、この美味しいおうどんにありつけたんだよね。

大金持ちだって、死ぬときにはお金持っていけないんだよ。僕たちが担当している患者さんはこのおうどん食べられないんだよね。

僕たちはここで、おうどん食べてるんじゃなくて、神様からこれで疲れた体に必要なだけ栄養を入れなさいって幸せを分けてもらっているんだよ。
その引換券がこの1000円札。

ここまで登って来れて良かったねって神様がご褒美くれているんだよ。

だから、この上ビール出されても要らないでしょ?
大汗かいてビール、そんなのいらないよね。一杯の水のほうが美味しいよ。そういう事なの。

1人2000円持っていけばいいって言ったのもそれ。
ポケットに2枚夏目漱石さんをいれるだけ。
お財布なんて使わないでしょ。持っていく必要ないの。ここでは、これだけでいいの。余計なもの持っていたら軽やかに上れないし下れないよね。

この仁志むらさんのきつねうどんは1杯700円だから、本当は1000円で足りるけど、途中お参りしたりお水買ったり何かあったときに後少しあれば家に戻れるでしょ?ここは山だから電車もタクシーもない。自分の足だけでさ。

必要なものに必要な分だけ幸せを引き換えなさい。困った時は迷わず使いなさい、勿体無いとかケチったらその幸せは手に入らない。チャンスは、今なの。グズグズしていたら、幸せはどこかへ行っちゃう。そんな渋々仕方なしに出されたお金は、喜ばないよ。

喜んで使ってもらえたお金は必ず戻ってきて、またあなたの幸せの引換券になってくれるから。
私を助けてくれてありがとうって使いなさい。

きつねうどん食べる時は思い出してね。

私の体に今、適切に栄養と温かいお出汁を出し元気を取り戻してくれる店員さん、朝早くからここまで僕たちが上ったように上ってきて駆け回って準備してくれた、労を労うため、あなたの幸せのために、使いなさい。

ご馳走様。


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